# 金銭教育

わが子が将来お金に困らなくなる「おこづかいのあげ方」とは?

「なんでも解決マン」に任命しよう
菅井 敏之 プロフィール

言われずにやると報酬アップ

「言われてやったら50円。言われずにやったら100円」

ある4人兄弟のご家庭では、お風呂掃除についてこんなルールがあるそうです。

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同じ作業でも自発的に動けば対価が変わる。なぜかわかりますか?

共働きでとても忙しいお母さんの「困った」を、お母さんの労力を損なわずに解決しているからです。

「労力を損なわずに」というところが大きなポイントです。

あれをしなさい、これをしてくれる? あれはもうやったの? と、いちいちお願いしたり注意するのだって多忙なお母さんにとっては大変なことです。

「いま、やろうと思ってたのに!」

という、お決まりの言い訳だって、言う方も言われる方もうんざりしますね。

朝食の前に新聞をとってくる。

食事のとき、テーブルにお箸を用意する。

洗濯物をたたんでしまう。

家庭内のお手伝いにはいろいろありますが、言われる前にやったことで、お駄賃の額が違ってくる――。

その本当の理由に気づいた子は、幼いころの私のように、どんどん自分で「仕事」を探していくでしょうし、どうせやるなら言われる前に、と思うでしょう。

誰だって、人の喜ぶ顔を見るのはうれしいからです。

自分が家族の「笑顔」の役に立っている、と思えること。

それが自分の喜びになった子が得られるいちばん大きなことが「受給者意識からの脱脚」です。

 

わが家では子どもが幼いころは、月々定額のお金を渡す「定額おこづかい制」はとっていませんでした。お金は働いて誰かを喜ばせた対価ですから、子どもだからといって定期的にお金がもらえると思ってもらっては困ると考えたからです。そんな考え方ではいつまでたっても「自立」なんてできません。

家庭における教育の究極の目標は「子どもを自立させること」。

自分だけではなく「家族」という自分のもっとも大切な人たちと幸せに生きていける人に育てること。

そのために、自分の力でお金を稼ぎ、管理をする力を身につけさせること。

親が子どもを自立させていくためにはどうすればよいか。

私が考えたのは、幼い子どもであっても「家庭の経営者」として、生きるために必要なお金のことと真剣に向き合ってほしい、ということでした。

働いてもいないのに、お金を手にできる――月々のおこづかい制というのは、考えてみれば不思議な制度だと思いませんか?

これは、たとえるなら正社員というだけでお給料をもらっているようなもの。しかも、旧態の高度成長期のサラリーマンのごとく、年次があがれば昇給していくシステムと同じです。

子どもにどうおこづかいを渡すかは、ご家庭それぞれのお考えがあるでしょうが、定額のおこづかい制には、お金に対する受け身の姿勢、もらって当然というような「受給者意識」を助長してしまうという大きな落とし穴が潜んでいるのです。

ちなみにわが家でも、部活が忙しく、バイトする時間もとれない高校生になってからは「定額制+報酬制」に移行しました。本人たちはもちろん大喜びですが、幼いころに身についた「家庭内ビジネス制」のおかげで、何もしていないのにお金がもらえることに最初は少しむずむずしていたようです。

そんな感覚を肌でわかるようになるのもまた大きな価値である、と思います。