わが子が将来お金に困らなくなる「おこづかいのあげ方」とは?
「なんでも解決マン」に任命しよう「困りごと」を発見させる
どうやってお子さんの進取の気性を育てていきましょう?
私が提案したいのは「家庭内ビジネス制」です。

誰かの悩みを「発見」し、自分の働きで「解決」すると、そこに「お金が発生する」。つまり、進取の気性をフルに発揮して、家庭内ビジネスの担い手とするのです。ビジネスの基本の考え方を身につけさせることを、毎日の生活に組み込んでしまいましょう。
まず、子どもを家族の「なんでも解決マン」に任命します。
「お母さんが忙しそうだ。庭の水やりをやってあげよう」
「車がずいぶん汚れている。明日みんなで出かけるから洗車してあげよう」
「兄ちゃんは試験前だから、代わりに本を借りてきてあげよう」
「おじいちゃん、何か手伝えることはある?」
こんなふうに家族の「困っていること」を発見し、まず解決法を考える。それを行動に移したらおこづかいが発生するという仕組みです。
自分の力で、困っていた人が笑顔になり、しかも報酬がもらえる! 子どもたちは、どんどん想像力を働かせて家族の役に立てることを探していくでしょう。みんなの状況をよく見て、判断し、想像力を働かせて解決法を考えて、動くでしょう。これは、将来につながるビジネスセンスを育てると同時に、もっと大きな発見を子どもにもたらすはずです。
自分の「能力」で人の役に立つものは何か気づくこと。
「人に親切であること」と「人に優しくあること」が、どれだけ自分を豊かにするか、ということです。
注意したいのは、そもそものお手伝いに報酬は発生しない、ということです。
どのご家庭でも、子どもにお手伝いをさせていると思います。
幼いころの私の係は、玄関掃除。冬は玄関から門までの雪かきが加わりました。家族の一員として家の仕事をすることは当然のことで、そこに報酬は生じません。
でも、雨でぬれた家族の靴をそのままにしておくのではなく、新聞紙を詰めておいたり、門の外の道路まで雪をかいて安全に歩けるように小道を作ったり、大雪のあとの屋根の雪下ろしを自分から手伝ったり、仕事が忙しくて洗車ができていない父の車を洗ったりしたときには「お駄賃」がもらえました。
「自分の役割を超えた働き」に対しての「感謝」がお金に変わったのです。
「ありがとう」と、言われたうえにお金までもらえる。こんなにうれしいことはありません。幼い私は、家族が忙しくて手がまわらないことはないか、困っていることはないかを探しては、手伝うようになりました。