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「Bリーグ」のライバルが、日本のプロ野球でもサッカーでもない理由

これがスポーツビジネスの最先端
2016年に誕生した、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」。前体制と比較して、入場者数は50%増、リーグ売上は10倍と、他のプロスポーツを猛追している。なぜ、ここまでの人気を得ることができたのか? Bリーグの常務理事・事務局長で、著書『稼ぐがすべて』もある葦原一正氏は、メジャーリーグを始めとする米国のスポーツビジネスの手法を積極的にとり入れているという。世界標準の最先端スポーツビジネスについて、葦原氏が語った。

「スポーツ先進国」米国に学べ

2016年9月、野球、サッカーに続く第3の団体競技プロスポーツとして開幕した、男子プロフェッショナルバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」。

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B.LEAGUEの目標は、日本の野球、サッカーに追いつくこと、ではなく、追い抜き、日本のバスケのレベルを選手、ビジネスともに世界一にすること。それもスピード感をもって、である。

安全運転で粛々と推進していく気はない。そのためには、成功している海外のモデルを研究し尽くし、最先端のビジネスモデルを取り入れたいと思っている。

90年代半ばは、1500億円規模だったMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)は、年々成長を遂げ、今や1兆円規模のビジネスになっている。また、NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)も飛躍的に成長し、取り入れるべきところが数多くある。

半面、国内ではうまくいっているように見える野球は、90年代半ばはMLBと同程度の1500億円規模だったが、今は2000億円程度で頭打ち。そのほかの競技は、ほとんど収益化できていないのが現状である。

この20年で大きく差が開いた日米スポーツ界、なぜ、そこまで売上規模を拡大することができたのか、それには、4つの要因があると考えている。

 
要因1 リーグ主導のガバナンスの再構築

ここまで日米の差が開いた一番の要因はリーグガバナンスが図れていないからである。MLBも昔は今の日本と同じようにリーグでなく、実質的に各チームに大半の権限があった。

それが、今から24年前に球団側が、チームの総年俸に上限を定めるサラリーキャップ制度を導入しようとしたところ、選手会側がこれに反発し、1994年から1995年まで232日間にわたってストライキが起きた。

このことがキッカケとなりリーグを中心とした組織体制へ変更した。入場者数はさほど大きく変動していないなか、リーグに機能と権限を集約することでコストカットが図れ、ビジネス的にも売上を拡大し続けることができるのだ。

たとえば各チームで作っていたwebサイトも、リーグ主導でデザインフォーマットを統一。共通化することでコストカットが図れ、ユーザーの利便性も向上する。またTV放映権の販売に関しても、従来は30の球団が各々で販売していたものをその権利をリーグに集約。このことで、必然的に販売価格が上昇し、価値が最大化した。

つまり、リーグとクラブとの連携がとれていれば、その団体の市場規模やポテンシャルが高くなるのだ。またITの整備やコストといった点でも、一括管理すれば、クラブにかかる負荷も少なくなる。つまりリーグがビジネス全体を統括し、市場活性の戦略を立案していることが大きな要因だと私は見ている。