職場の「ホウレンソウ」は時代遅れ、会社は「ザッソウ」で強くなる

雑談+相談の驚くべき効果
倉貫 義人 プロフィール

もし「無駄話をするな!」と言って雑談を完全に禁止にすると何が起きるだろう。たとえホウレンソウをしていても、社内で起きている出来事や職場の空気感、トラブルが起きたり、退職者が現れたりする予兆を感じることはできなくなってしまう。社員も「外注」扱いされているように感じ、帰属意識がなくなってしまうだろう。

 

かつての日本企業では、あえて推奨されてはいないかもしれないが、雑談は人間関係を醸成し、チームでの助け合いの空気をつくり、マネージャにとっては職場の様子を知ることのできる大事な要素だったのだ。

Google社が調査した「効果的なチームを可能とする条件は何か」を探るプロジェクトの結果に登場して有名になった言葉に「心理的安全性」がある。職場における自然な雑談というのは、心理的安全性を高くする効果があるのではないだろうか。

雑談+相談=「ザッソウ」でいこう

相談しやすくするための心理的安全性には雑談が重要だとはいえ、雑談を推奨することに抵抗はあるだろう。また、たとえ推奨されていたとしても「雑談しましょう」と言って話し始めることも難しい。

相談というのは案外スキルが必要だ。深刻な感じの「相談があります」となると相手は身構えてしまうし、どの程度の困りごとで相談すればいいのか、どこまで考えて相談を持ち込むのか、勘所がないと難しい。

相談を受ける側の気持ちでいえば、自分の中で結論が出る前に相談してほしいし、大きな相談ごとにするよりもマメに小さく相談してくれた方が心理的負担も少ない。あと、相談するときは気軽な相談であることを先に表明してほしい。

だから雑談をしているうちに相談になるくらいがちょうど良い。そもそも相談と雑談は明確に分けることは難しい。相談の時間と雑談の時間を意識して分けて誰も話はしていない。

そこで、そうした雑談と相談のことを合わせて「ザッソウ」と呼ぶのはどうだろうか。これまで非公式なコミュニケーションだった仕事を進めるための相談を兼ねた雑談に、新しく名前をつけることで公式の共通認識にしてしまうのだ。

「ザッソウいいですか?」といえば、気軽な相談であることもわかるし、ただ話をしたいだけでも良いし、そこから相談になったって良い。

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ザッソウが当たり前の職場になれば、自然と信頼関係が醸成されるようになり、共通の価値観や企業文化が共有されて、社員たちもモヤモヤした気持ちを抱えたまま働かなくて済む。素早いフィードバックで仕事の質や速度もあがるだろう。

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