職場の「ホウレンソウ」は時代遅れ、会社は「ザッソウ」で強くなる

雑談+相談の驚くべき効果
倉貫 義人 プロフィール

もっとも大事なのは「相談」

報告と連絡には対話はないけれど、相談だけはそうではない。相談は伝えて終わりというわけではなく、未来に向けて内容を話し合う必要がある。相談だけが、決まっていないことを議論して、仕事を進める役割があるのだ。

 

たとえば、レポートを作成する仕事でも成果物のイメージを早い段階で相談しておけば、無駄に立派なレポートを作ってしまったり、イメージが共有できていないために作り直しが発生するようなことはなくなる。

また、マネジメントが上手な上司は部下に相談をする。部下からすると決まったことを指示命令されるより、困っていることを相談された方が、「自分は期待されている」という喜びを感じることができ、ヤル気も出るだろう。

相談をするのに会議である必要はない。「ちょっといいですか」と声をかけて、その場で話をして済むことも多く、その方がモヤモヤと困ったりする時間も短くて済む。今であれば、チャットやテレビ会議を使うのも良いだろう。

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大量生産が産業の中心にあったかつてのように、誰もが横並びで同じ仕事をし、マニュアル通りに手を動かすのであれば、それほど上司に相談することもなかったかもしれない。しかし今は、たとえばライティングやデザイン、コンサルティング、マーケティング、商品企画、新規事業にプログラミングなどといった「再現性が小さい」クリエイティブな仕事が増えてきた。

そうした仕事には決まった正解が見出しにくいため、誰かに相談しながら仕事することが決断を促してくれるし、品質や生産性といった成果にも影響を与える。これから「相談」の重要性はますます高まるだろう。

雑談がつくる「心理的安全性」の高い職場

創造性が求められる仕事における相談の重要性はわかったが、どうすれば相談しやすい職場になるのか。そもそも普段から話しかけていない人に相談事だけを話にいくのは抵抗があるだろう。必要とされるのは、普段からコミュニケーションが頻繁に行われているという環境である。

では、ここでいう「コミュニケーション」とはホウレンソウのことだろうか? 違う。ホウレンソウで話すのは業務に関することだけだ。むしろ、職場での重要なコミュニケーションとは、あえて言葉にするならば「雑談」だ。

本当にくだらない話や、仕事に関わる些細な情報交換など、職場で雑談をしているうちに、それが仕事の相談になったり、雑談から斬新なアイデアがうまれたりする。

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