「リアルナンパアカデミー事件」裁判で見えた、犯行の奇妙な構図

塾生の「僕が頭悪いので」発言の意味
小川 たまか プロフィール

しかし、このような弱さは何も塾生たちだけに限ったことではない。カリスマに惹かれ、思考停止に陥る可能性は誰もが持つ。様々な趣味サークル、宗教、スピリチュアル、オンラインサロン、あるいは就職した企業の中で。「これさえ信じれば救われる」は、手を変え品を変え発信されている。

渡部は彼らに対してカリスマ的に振る舞うのが得意だったのだろう。根拠なき自信に、人は間違って惹きつけられることがある。塾生らは良心に反し、マニュアルに従って女性の尊厳を奪った。

「女好き」仮面の裏の女性嫌悪

もう一つ注目すべきは、その「カリスマ」渡部から立ち上る強烈な女性嫌悪である。

高橋さんは、渡部がツイッターで被害者女性を中傷したことについて、「セカンドレイプ的な思考が染み付いている印象を受けた」という。

「女性だけ守られて俺らが悪者になるのは許せない、という感じも受けたので、『女好き』というアカウント名ながら、実は女が嫌いなのかなとも思いました」

 

責任を被害者に転嫁するのは、性犯罪加害者によくある思考パターンだ。そして、渡部が「冤罪」や「女1人の証言だけで」といった言葉を繰り返していた様子からは、女性蔑視を超えた女性嫌悪を感じる。渡部は「女に騙される」という妄執に今も囚われているのではないか。実際は、渡部が女性たちを罠にかけたのにもかかわらず。

RNAから初めての逮捕者が出る約1カ月半前の2018年3月28日。渡部はある女性ブロガーのVoicy(音声を配信するメディア)に出演し、「ナンパについて話をさせてもらいました」とツイートしていた。このブロガーは2017年12月に元上司を「#metoo」告発して大きく報道された女性だ。

渡部は彼女と一体どんな「ナンパ」について語っていたのだろう。少しの後ろめたさも感じなかったのだろうか。RNAの事件発覚後に、Voicyは削除されている。

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