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「リアルナンパアカデミー事件」裁判で見えた、犯行の奇妙な構図

塾生の「僕が頭悪いので」発言の意味

昨年5月に2人の「塾生」が逮捕されたのを皮切りに、これまでに7人の逮捕者が出ている、ナンパ講座「リアルナンパアカデミー(通称RNA)」による集団準強姦事件。女性に酒を飲ませ酩酊させた上で強姦するという手口を繰り返していた。

裁判が進むなかで、彼らの犯行の奇妙な点が明らかになりつつある。昨年の9月に行われた公判では、裁判傍聴に慣れた記者たちをも驚かせる「保釈取り消し」という異例の事態が起きた。こうした事件のプロセスを取材してわかってきたのは、犯行の原因が「性欲」だけにあるとは思えない、グループの異様さだ。

さらに「塾長」の言動には、激しい「女性嫌悪」が見て取れる。彼らは何を考え、犯行に及んだのか。昨年9月の公判から振り返っていこう(※年齢はすべて逮捕当時)

異例の保釈取り消し

2018年9月27日。この日は、5月に共犯者とともに準強制性交等事件で逮捕された根本賢(27)の第3回公判で、判決言い渡しが行われる予定だった。しかし意外なことに、開廷後すぐに検察側から根本に対する「追加尋問」が始まった。通常の判決言い渡しとは、何か様子が違う。

「あなたは前回の公判で、もう二度とRNAや塾長の渡部と連絡を取らないと誓いましたね?」
「しかしあなたは、9月4日に塾生の一人と会い、その後、渡部とLINEで連絡を取りましたね?」

淡々とした尋問。根本は言葉を詰まらせながらも事実を認める。小柄な体がいっそう小さく見えた。

順を追って説明しよう。根本は8月27日に行われた第2回公判で罪を認め、謝罪や反省を口にしていた。ところがその後の9月4日保釈されていた根本は、自宅を訪れた塾生に飲食店に連れ出され、LINEでRNA塾長の渡部泰介(42)と連絡を取ったのだ。「塾長とは連絡を取らない」と、その前の公判で誓っていたにもかかわらず。

渡部はLINEでのやりとりのなかで、根本に対して被害者の女性と再度示談交渉をすることなどを提案した。根本はこれに同意する。さらに根本は、被害女性の画像を渡部から受け取り、感謝の言葉を返信していた。LINEには、被害女性に対する中傷の言葉や、担当弁護士が「使えない」といった侮蔑の言葉も含まれていたという。

 

これらの行為が明らかになったのは、9月10日に渡部が別の準強制性交等事件で逮捕されたことによる。当然ながら、根本の保釈は取り消され、両親が支払った保釈金200万円も没収された。

こうした経緯があった上での判決言い渡しの公判だったのである。被害者の代理人弁護士は「(根本の)謝罪の言葉はでまかせ」と厳しく言い募り、「使えない」扱いされていたことが法廷で明らかになった根本の担当弁護士は両手で眉間を押さえていた。判決は懲役5年6カ月(求刑、同6年)だった。