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公的年金15兆円の損失で、そろそろ考えるべき「逃げるタイミング」

安倍政権が頼む順回転は終わった

当然の大損

そろそろ年金運用の「日本株頼み」は見直す時期なのだろうか。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2月1日に発表した2018年度第3四半期(10-12月期)の運用成績は、14兆8039億円の赤字となった。期間収益率としてはマイナス9.06%という、大幅な損失である。

日本を含む世界の株式相場が下落したことで、資産の評価額が大きく目減りしたことが響いた。年度の通算(4月から12月まで)収益率もマイナス4.31%、額にして6兆7668億円の損失となった。

株価下落の影響をモロに受けているわけだが、株価が運用成績に直結するようになったのは、株式で運用するウェートを大きく高めたため。逆に言えば、株価が上昇した時は巨額の利益がもたらされる。

2017年度は第3四半期までに15兆円の利益を稼いだが、最後の3カ月で5兆円を失い、年度では結局10兆円のプラスになった。株価の上下に一喜一憂する体制になっているわけだ。

GPIFは大きく分けて、国内外の債券と、国内外の株式に分散投資している。かつては7割を債券で運用していたが、第2次安倍晋三内閣で株式に大きくシフトした。現在は、国内株式24%、外国株式に24%と、ほぼ半分を株式に投じている。債券は国債を中心とする国内債券に28%、外国債券に17%だ。残りは「短期資産」に回っている。

 

アベノミクスの蹉跌

安倍内閣はかねてから、「デフレからの脱却」を掲げ、2%を目標にインフレを目指してきた。インフレによる金利上昇を目指すわけだから、債券価格は下落することになるので、債券から株式へというシフトは合理的だったともいえる。

ところが、ここへ来て、2%のインフレ率がなかなか達成できないうえ、デフレに回帰しそうな気配さえ伺える。また、日経平均株価も昨年秋以降、低迷が続いている。

日本経済は成長力を取り戻すので、日本株は上昇を続ける、という安倍内閣の主張をすんなり受け入れられる状況にはなくなっているのだ。アベノミクスの成果を疑う野党を中心に、年金運用での株式依存の危うさを指摘する声は根強い。