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「LGBTは家も借りられない」はどこまで本当か…当事者のリアル

変わらないこと、変わり始めたこと

家を借りづらい同性カップル

ゲイの行政書士として、FP技能士として、おなじ性的マイノリティの〈暮らし・お金・老後〉の相談に応じる事務所を開いて約5年になります。そんな相談の現場から等身大の当事者像を考える本連載。今回は住宅賃貸の場面を取り上げます。

日本は性的マイノリティが法律で禁止もされず、寛容な国だと言われます。しかし、それは性行為のバリエーション、「色」への寛容であって、生活者としての性的マイノリティへの認識が乏しいため、現実社会での対応には課題が生じています。俗に「医・職・住」と称される、入院時の同性パートナーの面会など医療での対応、就活や在職中など職場での問題、そして住まいをめぐる困難が代表的です。

性的マイノリティと住まいの困難といえば、まずあげられるのが同性カップルの家の借りづらさ。当事者はどんな経験をしているのでしょうか?

 

不動産屋への対応、連帯保証、ご近所付き合い…

中野区で活動する性的マイノリティグループ『中野にじねっと』(私も参加)が2016年にシンポジウムのためにネット上で集めたアンケートの自由記述には、つぎのような声が寄せられました。

・ 男性2人というだけで不動産屋から難色を示された。
・ 年齢差があるカップルだったので、友だち同士という説明ができずに苦労した。
・ ルームシェアだと初期費用が2倍になると言われたり、男性2人での入居は身内に限ると言われたり、さまざまな制約がありました。
・ 女性2人(友だち同士と称する)だと喧嘩して出て行くことがあるとのことで、連帯保証人は、自分とパートナーそれぞれ別々に書かされた。

男女の事実婚(法律婚でない点ではおなじ)なら、こんな対応はないのでしょう。シンポジウムでは、内見時に女性2人で「寝室は一つでいい」と言ったら担当者に薄ら笑いされた、という体験談も語られました。

さらに同性2人は借りたあとでも苦労します。

・ 2人で外出するときや帰宅するときに、他住民に出くわすと少しドキドキしてしまう。
・ ご近所付き合いが気になる。他の住人にも、同居男性との関係性を聞かれる。
・ 子どものいる世帯が多く、同性で暮らしている世帯はマイノリティなので、目立たないように気をつかっている。
・ 同性同士で入居しているので、周りの近隣住民へ「いとこ」と偽っている。

職場に“配偶者”に対する福利厚生があっても、「住宅手当が2万円つくが、職場ではもちろんゲイだと明かすつもりはない。2万円はでかい!!」「勤務先に提出する家賃補助を申請する書類に、本当のことが書けず 同棲をあきらめた」という声もありました。これが同性カップルと賃貸住宅をめぐるリアルな現実なのです。