共通点②身の丈を超えた部屋を借りてしまう

一見とても便利に思える家賃保証会社ですが、実は大きなデメリットがあります。それは「自分の身の丈を超えた部屋を簡単に借りられてしまう」点です。たとえば月収20万円のサラリーマンが10万円の部屋を借りようとした場合、親が保証人になっていれば「もっと安い部屋にしなさい!」と止めるはず。

けれど家賃保証会社の審査のハードルは、親ほど高くありません。なぜなら向こうもビジネスである以上、契約件数を増やさないと経営が成り立たないからです。しかも家賃が高いほど手数料も増える。その結果、収入を考えたら少し苦しい家賃なのでは? という物件でも審査は通りやすくなってしまうのです。

ある意味、このハードルの低さが「審査が通ったのだから自分にはそれだけの経済力があるのだ」と勘違いする賃借人を生んでいるとも言えます。

加えて先ほど申し上げたように、現在、家賃保証会社が日本に何社あるのかは不明のまま。信販会社のように横のつながりがなく、顧客データを共有していないため、その賃借人が過去に別のところで家賃を滞納していたかどうかも調べることができません。それゆえに別の家賃保証会社で滞納した「ブラック滞納者」が、簡単に別の家賃保証会社の審査に通ってしまう事例が多発してしまうのです。

そもそも安い物件がないという現実

そうやって自身が払える限度を超えた物件を借りた結果、ほどなく家賃が払えなくなって滞納。家主や家賃保証会社とトラブルになるだけでなく、最悪の場合、借金を重ねて生活が破たん、というケースもあります。

家賃を滞納する若者は100%、身の丈以上の物件に住んでいます。生まれた時から豊かな環境に暮らしていることが多く、トイレのウォシュレット、ネット環境、オートロックといった具合に、住居に求める条件が多い人は特にそうなりがちです。

もちろん誰だってきれいで明るくて住み心地のいい家に住みたい。しかし「払える範囲」を忘れてはならないのだ Photo by iStock

同時に、今はそもそも安い部屋を見つけるのが難しい時代でもあります。相続税対策で家主さんが借金をしてアパートを建て替えるため、手頃な家賃の古い物件が次々と消えてしまう。跡地には若者の気を引ける高スペックな物件を建てるので、ますます家賃が上がるという悪循環になっています。

昔は「家賃は給料の1/3が望ましい」と言われましたが、今は家賃を給料の1/4以内に収めないと生活が成り立ちません。なぜなら昔に比べて、スマホ代や光熱費をはじめ、普通に暮らしているだけでかかるランニングコストが格段に上がっているからです。もはや月給20万円の人なら家賃は5万円程度でないと、余裕のある生活はできないと思います。

お金がなくても物件のレベルを下げられない

夫婦で家賃を滞納していた事例もあります。ある夫婦が9万円の家賃を払えず、部屋を出ることになったのですが、信じられないことに次に見つけてきた物件の家賃も9万円だったのです。

家賃保証会社を利用しての転居でしたが、滞納した家賃も払わなければならないのに、さらに同額の家賃でどうするのだろうと大変驚きました。一度9万円の物件に住んでしまったため、そこからレベルを下げられなかったのでしょう。

その夫婦は、新居への引っ越し代、敷金礼金等の出費がかさんだぶん、経済的には以前より厳しくなりました。しかも今後は、前住居の滞納分を毎月1万円ずつ返済しながらの生活です。この調子で果たしてこの先やっていけるのかと、心配になるような経済観念でした。もちろん、そんな状況でも審査を通してしまう家賃保証会社にも、大いに問題があるわけですが……。