〔PHOTO〕iStock

突然心臓が…あのアイドルも苦しむ「パニック障害」とは一体何か

それは「発明」された病気だった

相次ぐパニック障害

昨年、「パニック障害」を理由に、King & Princeの岩橋玄樹とSexy Zoneの松島聡が相次いで活動を休止した。

その他にも、パニック障害のために休業したり、かつてパニック障害だったことを告白したりする芸能人は数多い。

パニック障害は人口2〜4%のありふれた病気で、とりわけジャニーズに多いわけではなく、私も臨床現場でよく遭遇する。20〜40代に多く、男性より女性に多いといわれている。

何かのきっかけで頭がパニックになったり、不安で仕事や勉強が手に付かなくなったりは、誰にもあることだ。

それと、通院が必要だったり、仕事を休まなければならなかったりするほどの「パニック障害」はどこがどう違うのか、と思った人も多いだろう。

それも当然、パニック障害は1980年に発明された歴史の新しい病気である。

「発見」ではなく「発明」と書いた理由を、これから説明しよう。

〔PHOTO〕iStock

パニック障害とは

パニック障害とは、パニックの発作——突然に原因もなく、恐怖や不安が込み上がってきて数分でピークになる——が繰り返して起きる病気だ。

だが、パニック発作というのは「頭がパニクる」のとは少し違っている。

その発作について、精神医学の教科書に示されている症状リストを書いておいた。この13個の症状のうち4個があれば、パニック発作と診断される。

精神的な症状もあるが、むしろ目立つのは心臓や呼吸など身体の症状だ。

1. 動悸、2. 発汗、3. 身震い、4. 息切れ、5. 窒息感、6. 胸部不快感、7. 腹部不快感、8. めまい(ふらつき)、9. 寒気や熱感、10. 異常感覚、11. 現実感喪失や離人感、12. 抑制力を失う恐怖、13. 死への恐怖
 

ここで重要なのは、「突然に原因もなく」という点だ。

たくさんの人の前で話すのが苦手とか高いところが苦手とかの理由で、頭の中が真っ白で動悸やめまいで息が止まりそうにパニックになってもそれはパニック発作ではない。

当人にとってみれば、きっかけや原因がわからないから余計に不安が募る。

このパニック発作を繰り返すことにプラスして、発作がないときでも発作が不安になって生活に支障が出たり(予期不安)、さらに発作の不安のために外出できなくなったり(回避行動)するのが1ヵ月以上続けばパニック障害と診断される。

身体が酸素不足(二酸化炭素増加)に敏感すぎるとか、恐怖を感じ取る脳の一部(扁桃体)が過敏になって、ちょっとしたことで息苦しくなったり死にそうな気分になったりするとの説があるが、原因は解明されていない。

治療として行われるのは、向精神薬による薬物療法や精神療法(認知行動療法)で徐々に外出など今まで苦手だったことに心身を慣らしていくことだ。