# 韓国経済

韓国経済、坂を転がり落ちるような勢いで減速中のワケ

八方ふさがりかもしれない
真壁 昭夫 プロフィール

坂を転がり落ちるような勢いで、韓国の経済が減速している。特に、半導体企業の業績悪化は深刻だ。中国の減速に加え、世界的なスマートフォン販売台数の伸び悩みなどが、サムスン電子などを直撃し始めた。中国経済の減速が鮮明となる中で、輸出依存度の高い韓国経済が持ち直す展開は想定しづらい。

減速懸念を払しょくするには、政策の役割が欠かせない。しかし、韓国の文政権が長期の視点で経済の改革を進めるのは難しい。なぜなら、経済の減速を受けて同政権の支持率が低迷しているからだ。文政権は、目先の人気確保に注力せざるを得なくなっている。今後、韓国は一段と厳しい状況に直面する恐れがある。

 

世界の半導体市況と韓国経済

近年の韓国経済は、財閥系企業による半導体の輸出増加によって景気を支えてきた。それが、政治にも無視できない影響を与えてきた。

韓国にとって大きかったのが中国のIT投資だ。2015年、中国の習近平国家主席はIT先端技術を通した産業振興策である“中国製造2025”を掲げ、IoT(モノのインターネット化)や工場の自動化などへの投資を増やした。

それに支えられ、サムスン電子やSKハイニックスは、“我が世の春”を謳歌したといえる。具体的に、スマートフォン向けのNAND型フラッシュメモリやDRAM需要の高まりが、韓国半導体企業の収益増加を支えた。その中で両社はさらなる需要獲得を目指して設備投資を増やし、生産能力の引き上げに取り組んだ。

この状況は、文在寅大統領にとっても追い風になった。企業業績が上向いていたからこそ、韓国の企業は文大統領が求める最低賃金の引き上げに対応することができた。同時に、景気が安定しているうちは有権者も、革新を目指す大統領に期待し、「何か新しいことがあるかもしれない」と期待することができたはずだ。

それが、大統領選挙直後の大統領支持率を支えた。まさに“あばたもえくぼ”だ。景気が良かったからこそ、本来であれば疑義が高まりやすい政策への期待が生まれるだけの余地があった。

一転して昨年後半以降、中国経済の減速が鮮明化し、韓国半導体企業の業績懸念が高まった。それに合わせて文大統領の支持率は急速に低下した。

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