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東横線、田園都市線、池上線……東急沿線が人気であり続けるヒミツ

なぜ「沿線人気ナンバー1」なのか?
東横線、田園都市線をはじめ、「住みたい路線」アンケートでつねに上位にランクインしている東急電鉄。同社の現役執行役員、東浦亮典氏は、著書『私鉄3.0』(ワニブックス刊)で、東急の人気の秘密とその未来について分析・提言している。相鉄との直通線が開業予定の東横線、近年人気が高まっている池上線と世田谷線、人口減少・高齢化という課題を抱える田園都市線……これから東急沿線はどうなっていくのか? 東浦氏が語った。

東横線はこれからどうなるのか

東横線、特に神奈川エリアの駅には、これから大きく変貌を遂げていく街が含まれています。

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すでに武蔵小杉駅には川崎市の都市計画方針により元工場だった跡地に次々とタワーマンションが建ち並び、街の様子も一変しました。子育て世代を中心に大規模な民族移動が進んでいますし、都心にも負けないような商業施設も多数でき、住みたい街ランキングの上位にランクインするまでになりました。

次に変わってくる可能性があるのが日吉駅~綱島駅周辺です。神奈川東部方面線が近い将来完成すると、この一帯の利便性はさらに向上します。特に「新綱島駅(仮称)」という新駅ができるエリアは、駅周辺の再開発機運が高まっています。

綱島街道の拡幅も予定されており、日吉側でも工場跡地で大規模開発が進行中です。あのアップルの研究所も入居する「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」は、すでに2018年にまちびらきしています。

これまで東急は東横線沿線で大きな開発はやってきませんでしたが、今後はこうしたさまざまな動きが契機となり、周辺でも開発機運が高まってくることでしょう。

東横線はこれからどうなっていくのでしょうか。

渋谷駅というターミナルはなくなりましたが、みなとみらい線、副都心線、目黒線、南北線、三田線、日比谷線(2013年に相互直通は廃止)と行き先のバリエーションは増えていますし、利便性が高い路線として輝き続けるでしょう。

 

タワーマンションや大規模開発も目白押しで、子育て世代を中心に変わらぬ支持を得ていますし、昔ながらの駅前商店街も元気です。古いアパートやマンションもたくさん残っていますので、学生や20代の若者でも手が届く安い住居もあります。東横線に魅力を感じる人はこれからも変わらずたくさんいることでしょう。

人気路線の東横線と比べ、これまでやや地味であまり耳目を集めてこなかったものの、今後注目されるのは、世田谷線と池上線だと考えています。

大きな理由として、東急が有する他路線とは違い、他社乗り入れをしていないので、独自路線イメージがつくりやすいことが挙げられます。いい意味でのローカリズムがあって、それを好む人も多い。

池上線や世田谷線にはコンパクトな街のサイズや、人との程良い距離感、のんびりとした空気があり、居心地の良い毎日の中で自分が街の主役になれると感じることでしょう。

特に池上線・多摩川線が走る大田区エリアは2015年を起点に見ると、人口の伸び率が東急沿線で一番高いのです。

東横線沿線とは異なり、この両線の駅周辺には大規模な開発余地はありませんので、今後街並みが大きく変わることもほとんどありません。むしろリノベーションなどにより、街の景観を変えることなく、中身がアップグレードされてくることが期待されます。