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実はブレグジットこそが安倍政権に大打撃を与える可能性

米中よりも、統計問題よりも…

歴代首相が口にした「ある言葉」

時代をさかのぼる昔話で恐縮だが、池田勇人首相は政権が大きな難題に直面すると、心配する側近に対して「山より大きいイノシシは出ない」と語っていた。心配するな、何とかなる、という意味合いだ。

当時の首相秘書官であった宮澤喜一氏もよく耳にしたのだろうか、後に自らが首相の座に就いてから同じ言い回しをしていたことは知られている。

不思議なことに、宮澤首相時代以前の竹下登政権、そして続く海部俊樹政権下で隠然たる影響力を誇った金丸信元自民党幹事長もまったく同じ言葉「山より大きいイノシシは出ない」と、当時の平河記者クラブ所属の政治記者に語り、煙にまいていたのだ。

ひるがえって今、安倍晋三首相の目の前に「山より大きなイノシシ」は現れていないのか。出るとしても、小さいイノシシですませたいというのが安倍政権の本音である。

厚生労働省の「毎月勤労統計」不正調査問題は深刻である。立憲民主党(枝野幸男代表)を始め野党は2月4日から始まる衆参院予算委員会を手ぐすね引いて待っている。

 

それでも、支持率は下がっていない

「波乱国会」の兆しが明確になった。それにしても、である。統計不正調査発覚後に実施されたマスコミ各社の世論調査を見ると、安倍内閣の支持率も自民党の支持率も下がっていないのだ。

読売新聞調査(1月25~27日実施):内閣支持率は前回調査比2ポイント増の49%、不支持率が同5P減の38%、自民党支持率は4P増の38%、立憲民主党支持率が2P減の6%。日本経済新聞調査(同):内閣支持率は前回比6P増の53%、不支持率が7P減の37%、自民党支持率は5P増の43%、立憲民主党支持率が±0の9%。

驚いたのは、日経新聞調査の「参院選で投票したい政党」についての質問に対する回答である。自民21%、立憲12%、国民1%、公明5%、共産4%、維新2%、自由1%、社民1%、決めていない20%、分からない13%――。同紙の解説によると、「世代別にみると18~39歳は自民党が50%、立憲民主党が5%だった。世代が上がるにつれて両党の差は小さくなる傾向があった」というのである。

有効求人倍率が1.63倍(昨年12月時点=厚労省調査)と45年ぶりの高水準となった現在、若い世代は職種を選ばなければほぼ完全雇用に近いことから「安定志向」なのだろう、政権党・自民党支持である。しかし、厚労省の調査統計なので信を置けないということを留意する必要がある。