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もしも「北」主導の半島統合が起きたら…その衝撃を予測せよ

X-DAYは空想ではないはずだ

南が北へ走る理由

筆者は、経済・金融・経営について調査・研究を続けている。それらは相互に深い関連を持って影響を与えているからである。その上に流れる「政治」、そしてその背景に脈々と流れる「歴史」を分析することで、「政策」や「未来」の予想をすることができるのである。本稿もあくまでも“合理的な予想”と考えてほしい。

まもなく、歴史が動く瞬間を迎える可能性が高いと考えている。北朝鮮と韓国の統合である。経済・金融・経営の各分野に与える影響も極めて大きい。もはや、そのX-Dayがいつかということが焦点といってもよい。

現在、半島問題に関係の深い中国・米国の両国が目まぐるしく首脳レベルで接触しているのもその兆候の1つである。

また、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は元々、北朝鮮の出身で、朝鮮戦争の最中の1950年に韓国に帰化したのであり、当然のことながら北朝鮮に対する思いは強いとみられている。

元々、韓国の国民も北朝鮮の国民を同胞と考えている。しかも、親北派の文在寅を選んだ時点で今回の統一は北主導になる可能性が高くなっていたい。いわゆる「赤化統一」である。

もっというならば、朝鮮では「正統性」を重視する。北朝鮮は日本と戦闘して勝利したとしている。韓国は中国に亡命した「大韓民国臨時政府」をベースとする。北朝鮮こそ正統性の国家と考えられている。

そのため、米軍も韓国から兵を引く可能性が高い。その形式的な理由とするためか、現在、米国は韓国に駐留費用の倍増を要求して、交渉が紛糾している。

もっと言えば、統合が北主導であるため、韓国にとって日本の繋がりは邪魔である。そのために、どう考えても道理の行かない「徴用工問題」や「レーダー照射」問題が発生するのである。

つまり、北朝鮮と仲間であるという「証」を見せる必要があったのである。赤化統一の方向性においては、日本との経済関係は二の次なのである。

 

統一朝鮮のシャレにならない存在感

第2次世界大戦による不幸な歴史を背負った国の分断はヨーロッパにもあった。ドイツである。

それが、1990年に再統一することとなった。経済的には西ドイツ主導で統一が進み、東ドイツは労働力を供給することになった。さらには、東ドイツはいわゆる東欧と経済制度も近く、ドイツの東欧進出の足掛かりになった。その後、東ドイツ出身のメルケル首相のもとで、欧州の盟主としての地位を固めていった。

北朝鮮と韓国も、統一して、強国となることが予想される。人口は、足元、北朝鮮が約2500万人、韓国が約5200万人で、合計すると廉価な労働力が手に入る。この点、東ドイツと同様な位置づけとなる。約7700万人である。ちなみに日本の人口は約1億2000万人である。

経済面でいうと、北朝鮮には石油はないものレアメタルなどの鉱物資源が豊富である。この点でも、東ドイツと同様な位置づけとなる。