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たった2年で売上10倍!「Bリーグ」が重視する5つの幹部採用基準

ぶっとんだ「人財」はこう選んだ
葦原 一正 プロフィール

この3人がリーグを支えている

日本のスポーツ界では普及していないが、MLBやNBAのようにビジネスとして成功させるためには、そのモデルを取り入れてデジタルマーケティングを徹底推進していきたいと考えていた。

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そして、そのデータベースを活用しB.LEAGUEの市場価値を高めていき、将来的には競技者人口63万人と観戦者情報もつないだ大きなデータベースを構築する。

データベースを活用することによって、プロの試合を観るだけだった人が競技を始めたり、プレーヤーだった人が試合を観戦するきっかけになったり、といった状況を作り出していきたいという想いがあった。

彼は、東北楽天ゴールデンイーグルスと横浜DeNAベイスターズの2球団で会員組織をはじめ事業の基盤を作る仕事を経験していた。

開幕までの時間がないなか、彼の実行力とその経験は新リーグにとって必要不可欠だと思っていたので、入社を決めてくれた時点で「この仕事、勝利だ!」と確信したキーパーソンのひとりであった。

次に広報部長探しである。ブランディング構築を含めた新リーグの見せ方は非常に重要だ。

従来のスポーツ界、バスケ界にない斬新なアイデアで新しい層にアプローチしてほしいし、スポーツ広報にありがちな受け身の広報ではなく、攻めのマインドをもった人。そう考えるとスポーツ、バスケを知りすぎない人がいいなと思っていた。

さらに立ち上げ期は、事業戦略とマーケティング・広報はセットだと考えていたので、事業立ち上げの経験、デジタルマーケティングに強い人だとベスト。そこで人材エージェントに依頼をし、何人かの候補者のなかで出会ったのが経沢希志子だった。

彼女は高級婦人服FOXEYから創業期の楽天へ転職し、13年間にわたり広報やマーケティングなどさまざまな職種経験があり、職務経歴書から普通ではない、「ぶっとんでいる」匂いがぷんぷんした。

ネットで調べると妹さんも起業家ということでその想いは強くなり、会うことにした。面接で話をするとバランス感覚もあり、最初の数分話して「この人だ!」と決めた。

 

3人目はオリックス・バファローズやパシフィックリーグマーケティングで営業をしていた藤田将弘。

「稼ぐことがいちばん重要」と考えていたなかで、人材探しでいちばん苦労していたのが営業責任者のポジションであった。ずっと誰かいないか? このポジションだけは早く見つけないと営業活動に大きく影響する、と毎日思い悩んでいた。

そんなとき、確か、2015年6月中旬の夜、Facebookメッセンジャーで「元気か?」と、以前在籍していた会社の先輩からの何気ないメッセージ。

長年にわたり球団のみならず、リーグのスポンサー周りの実務を経験し、そして、朴訥でありつつも丁寧なコミュニケーションで社内スタッフ全員からの信頼が絶大であった藤田さんがもしも近くにいてくれたら、と思い、その「元気か?」のメッセージに対し、すぐ「藤田さん、新リーグ立ち上げ、興味ありませんか?」と即座に打ち込んでいた。

藤田さんは、娘さん含めご家族全員で関西在住であったため、なかなか簡単なご決断ではないな、と思っていた。また今だから話せることかもしれないが、藤田さんからは「本当にバスケで稼げるのか? そんなに甘くはない」と忠告めいたものも受けていた。

さんざん藤田さんとメッセンジャーでやり取りしたあと、私からは、「売上の根拠はないですが、立ち上げ時には前向きさと明るさと勢いが大事だと思っています! そして信念ですね。入社意思が固まれば、ぜひご連絡ください」と返事。

2カ月近くやり取りが続き、ある日いきなり「今から会社に退職、言うわ」の連絡。その瞬間のうれしさは今でも鮮明に覚えている。こうしてプロ野球球団から売上ゼロのリーグに来ていただくことになったのである。