# スポーツ

たった2年で売上10倍!「Bリーグ」が重視する5つの幹部採用基準

ぶっとんだ「人財」はこう選んだ
葦原 一正 プロフィール

川淵三郎さんの熱い言葉

入社当初、川淵三郎さんからいつもこう言われていた。

「絶対に過去の延長線上で物事を考えるな」と。

Photo by iStock

今までと同じことをしていたら過去と同じだ。その上のステージにいくには前例を超えたアイデアを出し、それを実行していかなければならない。

久々に日本スポーツ界にできたプロリーグが新しいことをしなければ、存在意義もない。幹部が常識人だと、スタッフレベルがぶっとんだアイデアを出しても潰されてしまう。

ぶっとんだ人(=常識にとらわれない人)が権限を持ち、事業を推進していってもらいたいと考えていた。そして事務局長の私に厳しい意見を進言してくれる人。

「何がしたい、何々ができます」より、「こうあるべきでこうしなければならない」と自分の言葉で語れる人。

よく面接で熱く「こういうことがしたいんです!」と語ってくる方がいらっしゃるのだが、そういう方はだいたい採用をお断りしている。「やりたいこと」はあくまでも趣味。「できること」はただの特技。「すべきこと」こそ我々リーグのミッションだと捉えている。

クラブと異なり、リーグの根幹は中立であり、常に「あるべき姿」をもとにロジックで説明する。つまり、業界全体を情熱とロジックで推進していかなければならない立ち位置なのだ。

また、採用段階において、一部の方から「出向」相談もあったが、すべてお断りした。売上高0円で出発した船だが、生きるか死ぬか運命共同体でないと組織としての一体感も醸成できない。リーグに入っていただく方には全員命綱は切ってもらった。また、何よりつらかったのが、年俸交渉。

 

当たり前ながら、売上が見えていないので、人件費はほとんどかけられなかった。ほぼ全員、減額でリーグに来ていただいた。転籍で減額。「とにかく売上をしっかり作って、いつかそのリスクをリターンでお返ししたい」……当時、私は強く思っていた。

前述の、(1)~(5)まで優先順位はあるものの、リーグの成功の可否を握る、この5つを重視した幹部人財探しが始まった。

入社した初日、真っ先にしたこと。それはマーケティング部長候補として私の頭にあった、当時横浜DeNAベイスターズにいた安田良平への電話だった。

その昔、埼玉西武ライオンズから引き抜いて横浜DeNAベイスターズに入社させた、かつての同僚である。彼が秀でているのは「実行力」。こういうことをやりたい、やるべきだと話せば、周りを巻き込み、いつの間にか作り上げてくれるのだ。

電話での第一声は、「え、急に何の電話??」

「まあ、とりあえずご飯でも食べましょう」とだけ伝えて、2015年6月上旬、浜松町付近の古びたレストランでランチをしたのが、昨日のように思い浮かぶ。

このパターンは横浜DeNAベイスターズのときに続き2度目だったので、彼も食事前から何の相談をされるか察していたようだ。明確に激しく口説くこともなく、ランチが終わるころには「一緒に頑張りましょう」とだけ会話した記憶がある。