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たった2年で売上10倍!「Bリーグ」が重視する5つの幹部採用基準

ぶっとんだ「人財」はこう選んだ
2016年に誕生した、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」。前体制と比較して、入場者数は50%増、リーグ売上は10倍と、他のプロスポーツを猛追している。なぜ、ここまでの人気を得ることができたのか? Bリーグの現場最高責任者で、著書『稼ぐがすべて』もある葦原一正氏は、回り道をしてでも素晴らしい「人財」を集めたからだ、と語る。Bリーグが求める「人財」とは? 葦原氏がその「採用基準」を語る。

すべては「人財」で決まる

超満員で開幕を迎えた男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」は2018年5月に、年間優勝クラブ決定戦(B.LEAGUE FINAL)を終え、2年目のシーズンが終了した。

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2年目の入場者数は250万人。リーグ売上も50億円となった。前リーグ(NBLとbjリーグの合計値)と比較し、入場者は50%増、スポンサー契約や放映権といったリーグ売上は10倍と、他のプロスポーツ興行と比較しても、非常に良い結果を出すことができた。

また、知名度ゼロからスタートしたB.LEAGUEは開幕直後の認知率調査では65%までに上昇。バレーボールを抜き、プロ野球、Jリーグに次いで3位に躍進した。

なぜ準備期間がJリーグの5分1のわずか1年で、ここまでの成果を上げることができたのか?

私は「人」がすべてのキーだと思っている。私1人では、当たり前であるが何もできない。

今や大人気クラブとなった沖縄県沖縄市を本拠地とする琉球ゴールデンキングス・木村達郎社長と2015年にはじめて沖縄でお会いしたとき、おっしゃっていた言葉がとても印象に残っている。

「キングスを2倍にするのであったら、たぶん全部自分でやっていた。そのほうが早いから。でも、あるとき、10倍にしたいと思って、みんなに頼ることにした」

当時の自分は開幕まで1年しかないので、とにかく早くスタートして、自分もがむしゃらに働き、大きな売上を、と焦っていた。しかし、結局は、急がば回れ。現場でじたばたするのをぐっとこらえ、まずは有能なスタッフ探しからスタートした。

私は「人材」ではなく「人財」がキーだと思っている。すべてはここにかかっている。以前、誰かから聞いたことがある。

 

・「人材」は人のもつ可能性を加工して成長させるイメージ
・「人財」はあるがままの素材を活かすイメージ

だと。

成長する企業と成長できない企業、それは人の差である。とくに短期間での立ち上げとなると、人のもつ可能性を成長させる時間はない。設定したゴールへ向かって、それぞれの役割を全うできる「人財」が必要である。そこで、幹部クラスは人材でなく人財を探した。

採用するにあたり私が重視していたのは、次の5つ。

(1) 身内(バスケットボール出身者)で固めない
(2) プロフェッショナルマインド。自分に対してもはっきり意見を言ってくれる人

(3) 徹底的に「べき論」で語れる人
(4) 片道切符(出向禁止)
(5) 若手、女性の積極登用

(1)の「身内で固めない」の意図としては、会社の統合と同じで、社内闘争やたすき掛け人事になりがちなので、NBL、bjリーグ出身者は積極的には採用しないスタンスでいた。

そのうえで、ぶっとんだ人が欲しいな、と考えていた。B.LEAGUEの合言葉は「BREAK THE BORDER――前例を笑え! 常識を壊せ! 限界を超えろ!」である。人探しの時期には言語化されていなかったが、会社の方向性として、漠然と私の頭にあった。