悪い座り方で腰痛になる理由

悪い座り方によって腰痛が起こるしくみをさらに詳しくお話ししましょう。

みなさん、「アライメント」という言葉をご存じでしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、これは姿勢の基礎となる「骨格の並び」のことです。

体にはたくさんの骨がありますが、その骨と骨をつなげるジョイント部分が関節です。良好なアライメントである状態というのは、この関節ひとつひとつの中心に体重がのっている状態を言います。

例えば、私たちの体をヨットだとすれば、理想的なアライメントの状態とは、脊椎(背骨)である“マスト”がまっすぐ垂直に立っていて、いろいろな関節や筋肉が各方向から帆のように均等に背骨を引っ張り、ゆがみなく支え合っている状態と言えます。
 
しかし、悪い座り方になっていると、関節のバランスが悪くなっているので周囲の筋肉や靱帯がちょうどよい張力を発揮できなくなります。

すると、そちらに引っ張られないようにほかの関節や筋肉はがんばり続けなければならなくなります。

悪い座り方が癖になると、このように無理な力がかかった状態が続き、その部分に負担がかかります。こうしてこりや痛み、疲れが生じてしまうのです。放置して慢性化すると、脊柱管狭窄症や腰椎すべり症などといったさまざまな病気を招く場合もあります。

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体の各関節の中には「固有感覚受容器」というセンサーのようなものがあります。このセンサーは、重力に対して体の関節や筋肉をどの位置や角度にもっていくとよいかを瞬時に感知し脊髄に伝える、いわばGPSシステムのような役割があり、私たちの意思とは全く関係のないところで体を調節しています。

よいアライメントを保とうとするのも固有感覚受容器の働きなのですが、悪い姿勢が続くと、センサー自体が鈍ってしまい、徐々にその悪い姿勢を正しい状態だと間違って認識してしまいます。

するとよい座り方に直そうとしても、どこが正しい位置なのかわからなくなってしまい、さらには体は悪い姿勢のほうに戻そうとしてしまいます。

ですから悪い座り方が長く習慣化しているほど直すのは難しくなります

座り方を直したら、できるだけその姿勢を続けて習慣化させ、それがよい状態なのだと体に再認識させなければなりません。悪い座り方が習慣化するというのは、それほど体によくないことなのです。