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「姿勢のいい座り方」も違ってた!腰痛になる理由は「これ」でした

究極の「ゼロポジ座り」って?

整形外科医である私のクリニックには、毎日、腰痛やひざの痛みなど体のあちこちに不具合を抱えた方がたくさん訪れます。

そのうちのまだ症状が軽い方々に、私はよく「予防のために運動をしてください」と伝えるのですが、大きな痛みがなくなるとみなさんすっかり忘れてしまい、何回伝えてもわざわざ予防のために運動を継続される方はほとんどいません。

それにもかかわらず、みなさん、“体の痛みを改善したい”“やせたい”などといった希望は強いので困ってしまうのですが、そんな都合のいい願望を叶えられる魔法のような方法がたったひとつだけあります。

それはあなたの「座り方」を変えることです

ベストセラー『大人のラジオ体操』などで知られる整形外科医の中村格子さん。最新刊『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』では、腰痛にはなぜなるのか、それを予防し、再び腰痛にならないためには何をすればいいのについても多くの図やデータとともにまとめられている。その中から、我々がしてしまいがちな「座り方」のあやまちと、正しい座り方についてご紹介しよう。
 

疲れる座り方は続けられない

みなさん、“よい座り方”というと、どんな座り方をイメージしますか?

ほとんどの人が、股関節とひざを90度に曲げ、背筋を伸ばして骨盤をまっすぐにアップライトに立たせた座り方、いわゆる“直角座り”をイメージするのではないでしょうか。

この座り方は、確かに見た目にもきれいに見えるよい座り方ではあります。でも、体幹の筋肉が相当しっかり鍛えられていないと、骨盤をまっすぐに立たせて保つ力がないため、大半の人はすぐに「疲れた」「続けられない」と感じることでしょう。そして、ほとんどの人は、数分程度しかこの座り方を続けられず、すぐに骨盤が倒れた悪い座り方に戻ってしまいます。 

「スマホ首」座りは不調のデパート

最近、スマホの普及で増えたのが、へそ折れ・あご出し座りです。椅子にもたれかかっていて骨盤は後ろに倒れていますが、スマホを見るので頭はかなり前に突き出した状態です。

「へそ折れ座り」と「あご出し座り」の合体型座り方。気づかないうちにこうなっている人、多いんです 『医師が教えるゼロポジ座り 疲れない、太らない、老けない』より

そもそも人間の頭は5~6㎏ほどの重さがあります。これはなんとあのボウリングのボールと同じくらいの重さなのです。本来、頭は、体の上にまっすぐにのっているのが正しく、この状態なら頭の重さも背中と胸の筋肉でバランスよく支えることができ、肩や首にそれほど負荷がかかりません。

でも、頭が前に出ると肩や首にかかる負担が一気に大きくなります。

スマホを見ているときは、頭が60度ほど前に傾斜しますが、このときに肩や首にかかる負荷は、27㎏増にもなります。これは2リットルのペットボトル14本分にも相当します。

このような大きな負荷が肩や首にかかるので、筋肉が緊張してしまい、肩や首のこりや痛みが生じてしまうのです。
  
また、椅子にもたれかかっているので体は楽に感じるかもしれませんが、骨盤が後ろに倒れ、腹筋も背筋もきちんと使われていないので、腰の骨だけで体を支えなければならず、過剰に負担がかかり腰痛やヘルニアも起こりやすくなります。さらに骨盤が後ろに倒れていることで、股関節やひざが伸ばしにくくなってひざが曲がったままになるので、ひざの痛みも起こります。

これが習慣化してくると、高齢になったときにさまざまな不調により自分の足で歩けなくなる可能性も。ですから、今のうちから座り方を改善する必要があります。
  
脚を組んで座る癖がある人も多く見受けますが、こちらもさまざまな不調を招き、おすすめできません。海外の研究では、一日に脚を3時間以上組んで座る人は、肩が前のめりになって頭が前に出て、骨盤が後ろに傾いてゆがみ、その結果、組んでいない人に比べて肩こりになりやすいということが報告されています。

脚を組んで座る場合は、ときどき左右の脚を組み替えるようにすれば、体のゆがみは防げると言われていますが、一日に3時間以上脚を組んで座る人は、ときどき組み替えたとしても、肩こりなどが起きやすくなるのです。