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# 不祥事 # 年金

統計不正問題はなぜ起こった?世界と比較すれば分かる「最大の元凶」

これではせっかくの能力も死ぬ

統計職員2人で10万人を担当

厚労省の統計不正をきっかけに、霞が関の統計に対する信頼が揺らいでいる。

各省庁ではさまざまな統計調査を出しており、それぞれ職員を割いているが、その人数が少ないのではないか、と見る向きがある。現状はどうなっているのか。

政府内で統計問題が議論されたのは、2004年の小泉政権で示された「骨太方針」からだ。その当時の各省庁での統計職員数をみると、内閣府63人、警察庁6人、総務省590人、財務省85人、文科省20人、厚労省351人、農水省4674人、経産省343人、国交省75人、人事院24人、計6241人だった。農水省の統計職員が圧倒的に多く、各省で人数のばらつきがある。

その後、日本の統計職員は大きく減少した。

'18年の各省庁の統計職員数は、内閣府92人、警察庁8人、総務省584人、財務省74人、文科省20人、厚労省233人、農水省613人、経産省245人、国交省51人、人事院12人、計1940人だ。

 

'04年のころ、人口10万人あたりの統計職員数はおよそ5人だったのが、およそ2人にまで減少している。

海外の人口10万人あたりの職員数と比較すると、アメリカ4人、イギリス6人、ドイツ3人、フランス9人、カナダ15人と、現在の日本は後れを取っていることがわかる。

国の統計事務の「司令塔」となるのは総務省の統計委員会だが、それ以外の大所である厚労省、経産省、とりわけ農水省は大きく人員を減らしている。

これまで農水省に多くの統計職員が割かれていたのは、農業統計が重要視されていたためだ。

時代のニーズが変わったのはわかるが、なぜその減員分を他省庁に振り替えることができなかったのかは、縦割り行政の弊害の最たるものと言わざるを得ない。

海外と比べ、だいぶ安月給

統計職員の減少は、霞が関官僚が数学の素養を必要とする統計を軽視していることにある。文系官僚が跋扈する霞が関では、ジェネラリストの文系キャリアがトップになり、スペシャリストの理系は出世できない。今回問題になった厚労省はその典型である。

ハッキリ言って、財務省や外務省などに比べれば、厚労省は「格下」である。そんな厚労省で威張る文系キャリアがいる一方で、医師免許を持つ医系技官はせいぜい局長止まりだ。

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