クールジャパン機構の「おサムい裁判」の行方~苦しい言い分を連発…

そして国費が溶けていく
阿部 平三郎

おまけに昨年は、経済産業省からの出向者を含む男性役員3人からセクハラやパワハラを受けたとして、元派遣社員の女性に損害賠償請求訴訟を起こされたことでも話題を集めた。

役員らは「セクハラ行為などはなかった」と主張しているが、訴状によれば、女性は歓迎会の帰り道に肩に手を回されたり手を握られたりしたほか、別の日には他の女性とともにカラオケ店に呼び出され、「役員との映画鑑賞」「監査役とのワインディナー」といったクジを引かされたとしている。

事実なら、気持ち悪いことこの上ないが、女性が問題視して社外ホットラインに通報しても、機構は「専門家にも相談し、かつ一般的に世の中で起きている事案と比較した結果、セクハラとは認定できない」などと告げてきたという。

 

そして新たな訴訟が

そんな機構にもう一つ降ってわいたのが、日本茶カフェ事業をめぐる冒頭の訴訟だ。

昨年9月に機構を提訴したグリーンティーワールドホールディングスは、日本茶を輸出するマエタクや地方銀行十八銀行など長崎県とその周辺の11企業・団体が出資する会社。訴訟は、機構が一方的に運営会社を清算しようとして損害が出ているとして、出資契約の無効確認(=縁切り)と約4千万円の損害賠償を求めるものだ。

同社と機構は2015年4月、約210万ドルずつ出資して運営会社をつくり、今も米ロサンゼルスでカフェ1店舗を営んでいる。しかし、赤字経営が続き、当初の目標だった「10年間で米国に50店舗の展開」は絶望視される。

原告側は「機構から不相応に大きな組織や新ブランドの設立などを要求されて費用負担が膨らんだうえに、ただちに黒字転換させる事業計画を出せと難題を突きつけられ、それができないと清算を迫られた」と説明。長崎の企業グループとしては単独で事業を続けたいが、機構はすんなり別れてくれず、強引に清算を迫られていると主張している。

これに対して機構は、「M氏の経営失敗により多額の損失が発生している」「私的経営による残余金の枯渇の懸念が高い」などと、原告代表者M氏への攻撃を全面展開。清算を申し立てた理由は「M氏による経営失敗と背信的行為の数々、株主・投資家の無視・軽視にあった」と唱え、「無為に国費による投資が散逸する状況に何もしないで悠長に待つことはできない」とまで述べている。