深層レポート「麻生太郎が政治の表舞台から去る日」

地元・福岡で異変が発生
戸坂 弘毅

自民党県議の間でも「小川3選が確実なのに、麻生氏の身勝手に付き合わされてはたまらない」と、水面下で麻生離れの動きが広がる。加えて、長年の盟友である蔵内県連会長も本音は麻生氏の対応に批判的という。

麻生氏は、創価学会の怒りを買ったことをきっかけに、地元・福岡での影響力を一気に失いかねない情勢まで追い込まれているのだ。

 

財務官僚も「見切った」

一方で安倍政権における麻生氏は、昨年の森友学園をめぐる財務省の決裁文書改竄問題でも、自らの責任はウヤムヤにして乗り切り、安倍首相の盟友として存在感を維持しているかにみえる。

SPを連れて自宅周辺を速歩する毎朝の日課も、夜の会食後に高級ホテルのバーで葉巻を燻らせるのも以前のまま。とても「後期高齢者」とは思えない。

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だがここ数年、消費税率アップの先送り、軽減税率の導入、衆院の解散時期をめぐる綱引き等々、菅官房長官と意見が対立する問題では、麻生氏は菅氏にことごとく敗北している。昨年発覚した財務次官のセクハラ問題の処理で、対応が後手後手に回るなど、判断力の衰えも隠せなくなってきた。

実は、麻生氏の足元にいる財務官僚たちは、昨年9月の自民党総裁選後の内閣改造の際、「財務相を岸田文雄政調会長に交代させてほしい」との意向を密かに安倍首相に伝えていた。岸田氏は次期首相の有力候補ともいわれる。権力の動向に敏感な財務官僚たちは、78歳の麻生氏にもう見切りをつけているのだ。

麻生氏が率いる麻生派は、一昨年、三木派以来の伝統派閥である山東派を吸収合併するなどして自民党内第2派閥に躍り出た。だが、派内に後継者はまったく見当たらず、派閥そのものが存続の危機にさらされている。

同派では、河野(洋平・元衆院議長)グループ時代からの麻生氏側近である森英介元法相が会長代理、松本純元国家公安委員長が事務局長を務めるが、いずれも総裁候補どころか、派閥領袖への意欲にも資金力にも欠ける。

一昨年、自らに近い4人の議員とともに同派に加わった前出の甘利氏もいるが、派内ではいまだ浮いた存在のままで、人望も薄い。

では、麻生氏にとって「兄貴分」だった河野洋平氏の長男・河野太郎氏はどうか。

河野太郎外相(Photo by gettyimages)