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中国・習近平が恐れている、米中貿易戦争より「ヤバすぎる現実」

中国はなぜ譲歩せざるをえなかったのか
中原 圭介 プロフィール

急増するキリスト教信者

新しく信者になる人々の大半は政府が公認していない教会の信者となり、違法な民家の教会で隠れて礼拝を行っているといいます。

このような事実から判断して、宗教的な農民反乱であった「黄巾の乱」「紅巾の乱」「白蓮教徒の乱」「太平天国の乱」の再来を思い浮かべることができます。

中国共産党が宗教に対して不寛容であり、キリスト教徒を激しく弾圧するのは、まさにこういった歴史が繰り返されるリスクを恐れているからです。

 

中国の歴史は、虐げられてきた民衆の蜂起と反乱の歴史でもあります。そして、その歴史はこれから繰り返されてもおかしくない状況にあるといえます。

経済的に豊かな沿海部の都市に比べ、格段に貧しい内陸部の農村地区の人々の間には、共産党に対する不平不満がマグマのように蓄積しており、いつキリスト教と結びついて大反乱が起こっても不思議ではないのです。

そのうえ、昨年からの米中貿易摩擦によって中国経済の減速が予想以上に強まっており、沿海部の企業では倒産やリストラが相次ぎ、失業する人々が増加の一途を辿っています。

経済が好調だから黙っていた都市住民までもが生活水準の悪化から体制に対して大規模なデモを起こし、それが農村部の暴動と連動するようなことがあれば、中国全土で大動乱にまで拡大し共産党一党による支配は崩壊してしまうかもしれません。

だから中国は、米中貿易摩擦で米国に大幅な譲歩をしてでも、何とか交渉をまとめたいと思っているはずです。メンツを重んじる中国は当初、自らのメンツを押し通すことで想定以上の景気の減速を招くとはあまり考えていなかったようです。従来どおりの金融緩和や大型減税で対応すれば、米国との長期戦にも耐えうると過信していたのでしょう。

しかし、それが考え違いであると認識している今となっては、米国と世界の覇権を争う以前に共産党が国内で支持を失ってしまうリスクを強く懸念しているというわけです。