中国経済の「明確な減速」が米中貿易戦争を激化させる懸念アリ

内憂外患、とはまさにこのことだ

昨年11月以降、中国経済の減速が鮮明化している。中国経済の状況を一言で言い表せば、“下り坂を転がり落ちる”状況にある。これまで景気を支えてきた個人消費、固定資産投資ともに減少傾向で推移している。政府は政策を総動員して景気減速を食い止めようとしているが、どの程度の効果が発揮できるかは不透明だ。

経済が不安定化する中、中国は米国との貿易戦争にも対応しなければならない。現状、米中の貿易戦争は“我慢比べ”の様相を呈している。米中ともに、通商面での摩擦が激化し、結果的に経済にマイナスの影響が及ぶことは避けたいだろう。そうした思惑が世界の金融市場にどう影響するかが当面のポイントだ。

 

景気減速が鮮明化する中国

2018年、中国の実質GDP(国内総生産)成長率は6.6%だった。四半期ごとの成長率の推移は、1~3月期から順に前年比6.8%、6.7%、6.5%、6.4%と減速し続けた。年間では中国政府が目標とする6.5%前後を達成したものの、これまでの成長を支えてきた投資と消費が減少していることのマグニチュードは深刻だ。輸出に関しても先行き懸念が強い。

景気浮揚のために、中国政府は経済政策を総動員する姿勢を鮮明にしている。ポイントは、国内での消費を増加させることができるかだ。政府は減税措置を進め、耐久財を中心に個人消費の増加を目指すだろう。特に、大気汚染対策と内陸部への新エネルギー車の普及促進などのために、自動車関連の減税措置などが導入される可能性はある。

一方、金融政策に関しては効果の発揮が難しい。中央銀行(中国人民銀行)は、預金準備率の引き下げを行い、銀行貸し出しを促進しようとしている。これは5大銀行などの金融仲介能力を高め、国有企業の資金繰り支援を重視した政策だ。その一方、シャドーバンキングへの依存度の高い民間企業(特に中小企業)への効果は見込みづらい。

また、2016年半ばから2017年末頃までの景気を支えたインフラ投資(公共事業)は、地方政府の財政悪化から中断されるものが増えている。政府はインフラ投資を上積みし、景気浮揚を目指す姿勢を示しているが、これまでにも公共事業が重視しされてきた中で、新たな投資による需要創出効果がどの程度かは不透明だ。

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