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大坂なおみと大谷翔平が示す「上向き思考」という新しい可能性

「プラス思考」は間違いだった…?
テニスの全豪オープン女子シングルスを制覇し、日本人初の世界ランキング1位が確実となった大坂なおみ選手。そして、「二刀流」という、現代野球において前人未到の挑戦を続ける大谷翔平選手。技術に秀でていることはもちろんのこととして、なぜ彼彼女に私たちはこんなにも魅了されるのか。それには、新時代の新しい思考法が隠されているのではないか、と『感動の創造 新訳 中村天風の言葉』を著した感動プロデューサーの平野秀典氏は語る。

プラス思考の上を行く「新しいメンタル」

数年前に「プラス思考」という言葉が一斉を風靡したことがありました。ところが、最近になって「プラス思考じゃダメだ」とか「プラス思考の弊害」というようなことが言われ始めています。

自己啓発本やセミナーで「プラス思考」を学び、一度は人生に取り入れてみたものの、マイナスな出来事や感情へ対処できずに、無理が出て諦めてしまう人は数知れず。それに代わるような明確な提案をしているものは、まだありませんでしたが、しかし、最近大坂なおみ選手と大谷翔平選手の2人のアスリートが、プラス思考の上を行くメンタルで、世界的に活躍し始めています。

皆どこかでモヤモヤしていた「プラス思考」に変わるものを、本記事で考察してみようと思います。

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プラス思考は周りにマイナス思考を生む

SNSの発達に伴い、情報発信がいつでもどこでも誰にでもできるようになって以来、自分を過剰に演出し過ぎて中身が伴っていない人や、前向き過ぎて空回りしている人、いわゆるウザい人が、嘲笑の意味で「意識高い系」と呼ばれているのはご存知の通りです。

「意識高い系」と揶揄される人たちは、前向きが過剰になって「前のめり」になり、せっかくのプラス思考が、周りの人にマイナス思考を生んでしまうのです。本来「意識が高い」ことは、人間の成長や社会の進化向上に必要なことのはずなのに。

 

問題は、意識が高いことではなく、言っていることとやっていることが乖離している、つまり「言行不一致」な状態であることにあります。

プラス思考は「前向き」という思考の方向性を持ちますが、前向きが行き過ぎると、マイナスをなかったことにしたり、前しか見ない融通の利かない人間ができあがります。

しかし、大切な人や出来事は、前だけではなく、横にも後ろにもあります。