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黒田総裁にいよいよ試練…「願望」すら示せなくなった日銀の行き先

金融政策決定会合から見えてきたもの

日銀への正常化期待は雲散霧消

1月22~23日の金融政策決定会合で、日銀は現行の長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みを継続することを7対2の賛成多数で決定した(片岡・原田両審議委員が反対)。

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「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」は予測期間全般にわたって、消費者物価指数(除く生鮮食品、消費税率引き上げ・教育無償化の影響、以下単にコアCPI)の見通しが引き下げられており、2019年度については遂に1%を割り込んだ

展望レポートでは「リスクバランスをみると、経済・物価ともに下振れリスクの方が大きい」とはっきりリスクバランスの下方シフトが強調されている。この点、まだリスクバランスの均衡を主張しているFRBやECBとの大きな違いとも言える。

こうした展望レポートと平仄が合うように、黒田日銀総裁は決定会合後の記者会見で「リスクが高まってきている。十分注意する必要がある」と述べており、昨年来、盛り上がっていた日銀への正常化期待は公式に一蹴されたと考えるべきであろう。

 

「願望」すらできない環境に

ほぼ無風の結果に終わった今会合だが、展望レポートで示された物価見通しの弱さには着目したい。

2018~2020年度のコアCPI見通しは前回10月の「+0.9%/+1.4%/+1.5%」から「+0.8%/+0.9%/+1.4%」へと広範に下方修正された。2019年度に見られる▲0.5%ポイントという大幅下方修正はあくまで「原油価格の下落を主因」とした現象というのが展望レポートの解説である。

だが、より注目すべきは2020年度の物価見通しまで引き下げられた点である。