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2019年は「新興国株」がいよいよ大復活する!

米国からの「マネー逆戻り」が始まる
大川 智宏 プロフィール

米国経済の「ピーク」を示す2つの手がかり

これについては、過去の「雇用統計の推移」と「米国債の長短金利差」の2つが手がかりとなる。

図表:米国景気と長短金利差

拡大画像表示出所:Datastream

この図は、過去20年程度の米雇用統計の合成指数(新規雇用者数、平均賃金、失業率を標準化して平均したもので、失業率のみ値が小さいほど大きく評価される)と、米国の10年債と2年債の利回りの差(逆スケール、上に行くほど値が小さい)の推移を見ている。

一般に、長短金利差は将来の景気成長を織り込む長期金利のほうが、現況を表す短期金利よりも高いことが健全だが、期先の成長性に黄信号が灯りつつも利上げを継続する状況では、長期金利の下落と短期金利の上昇の結果として利回りの逆転(逆イールド)が発生することがある。これは、引き締め局面における景気のピークを示していることに他ならない。

事実、過去20年に大きく0を下回って(図中では上方向)に暴走し続けた事例は皆無だ。1998年以降のITバブル期、前回ラリーの2005年から2006年などの好況期に逆イールドは発生したが、その後の結末を考えれば、そこが当時のサイクルのピークであったのだろう。そして、現在の金利差はちょうどゼロ近辺だ。

加えて、雇用統計の合成指数はこの長短金利差と連動する。こちらも、過去を見れば上方へ一方的に暴走した事例はなく、未曽有の好況と言われる現在も実はリーズナブルな範囲に収まっており、現在も過去のピークと同水準まで近づいている。期先を占う金利差も、実績を見る雇用も、異なる指標が同じように動き、水準感もパンパンだ。

 

さて、ここまでは、米国側の事情なので、次いで新興国側の要素も合わせてみたい。

以下の図表は、新興国のGDP成長率から先進国のGDP成長率を減じたものだ。いわば、新興国と先進国のGDP格差である。2018年以降は、OECDによる予測値を用いている。

図表:新興国と先進国のGDP格差の推移

拡大画像表示出所:OECD