2019年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞、主題歌賞にノミネートされた映画『RBG』(原題・2019年5月日本公開予定)は、85歳にしてアメリカ合衆国最高裁判所の現役判事である伝説の女性、ルース・ベンダー・ギンズバーグの姿を追ったドキュメンタリーだ。

この映画の中で、ギンズバーグ氏が「ずっと自分で歩けるようにするため」とトレーナーの下で重いダンベルを持ち上げたり筋力トレーニングをするシーンがある。脚本家である92歳の橋田寿賀子さんも週数回のトレーニングをしていることで有名だ。

アメリカ合衆国の現役最高裁判事であるRBGことルース・ベンダー・ギンズバーグさん。85歳で背中がまがっているが、トレーニングは欠かさなす、しっかり歩いている Photo by Getty Images

それは個人トレーナーを雇える人だけの特権では? と思うだろうか。筋力トレーニングなんて無理! と距離を置くだろうか。実は、自宅でできる簡単なストレッチを続けるだけでも、確実に、見た目も中身も歳の重ねかたが変わるという。

五輪代表選手や青学駅伝チームのトレーナーを務める中野ジェームズ修一さんの理論をわかりやすくまとめた『みんなのストレッチ』も手がけているライターの井上健二さんが、その効能と今すぐ役立つストレッチをお伝えする。

ストレッチはコストパフォーマンスが高い

ストレッチといえば、運動する人が行うもの、あるいは180度開脚できるくらいに体を柔らかくしたい人がするもの、というイメージを持ってはいないだろうか。じつは、老後の医療費を考えるなら、誰もが今すぐ始めるべき、といえるのがストレッチなのだ。

そもそもストレッチは、運動やトレーニングの前後に行うもの、というイメージが強い。だが最近では、健康増進にもストレッチが役立つという報告が多く見受けられるようになっている(ストレッチにはいくつかの種類がある。以下、ストレッチとは、反動を付けずに筋肉を静かに伸ばすスタティック・ストレッチ=静的ストレッチを指す)。

スクワットなどの筋トレやランニングなどの有酸素運動が健康によいのは常識だが、筋トレやランニングを習慣的に行うのはなかなか難しい。

それと比べて筋肉を伸ばすだけのストレッチは身体への負荷が少なく、道具も一切不要であり、場所も選ばない。簡単だから、やり方を覚えてしまえば、高い会費を毎月払ってスポーツジムに通い続ける必要もない

コストゼロで行えるストレッチで、健康が保てるのだとしたら、コストパフォーマンスは極めて高い。ストレッチは高齢者でも行えるから、老後の医療費抑制のためにも今のうちから新たな習慣してみてはどうか(何らかの疾患を抱えている場合、ストレッチを行ってよいかどうかは念のために主治医に確認しておこう)。