1970年代テレビドラマ「いまじゃ考えられない」驚きのシーン

日本のおふくろ、本物の刑事がいた
週刊現代 プロフィール

当時の若者たちがファッションをこぞって真似していたドラマが、『傷だらけの天使』だ。主演の萩原健一は探偵事務所の調査員。オープニングの場面が印象的だ。

「ショーケンが新聞紙でエプロンを作って、ノザキのコンビーフを丸ごとかじりつくタイトルバックは多くの方が覚えているでしょう。

作中では、ショーケンや水谷豊が『BIGI』の服を着ていてオシャレだった。高校生の僕には高価で手が出なかったけれど、ボタンダウンのボタンをわざわざ外して『BIGI』っぽくエリを広げて着たりしていました。

井上堯之バンドの曲もかっこよくて、『太陽にほえろ!』とカップリングになったサントラ盤を買いましたよ」(前出・泉氏)

同作の脚本を担当していた柏原寛司氏が語る。

「名セリフを強いて挙げれば、舎弟の亨を演じた水谷豊さんが、萩原さんにくっついていくときに叫ぶ『兄貴ぃ~!』。『兄貴のブギ』というレコードが出るほど、流行りました。

名場面はそして、なんと言っても最終回。ペントハウスの前の屋上テラスに、ドラム缶の風呂があり、そこにショーケンが病気で死んだ亨を週刊誌の裸のグラビアと一緒に入れて弔う。

そして、そのまま大八車に積んで夢の島に捨てに行く。医者を呼ぶわけでも葬式をあげるわけでもなく捨てて逃げる。そんな社会を斜に構えて見ているところが最高でした」

 

岸田森が涙を誘う

このドラマでは、探偵事務所の長、岸田今日子やナンバー2の岸田森も忘れがたい。二人は邪悪な大人たちの見本を見事に演じた。

「作中でショーケンは偉そうなことを言っていても、岸田今日子の前になると何も言えなくなってしまう。彼女はそうさせる威厳をうまく表現していました」(前出・岡田氏)

「岸田森のインパクトは絶大でした。最後には、服従し慕っていた岸田今日子に捨てられる。涙を誘うシーンだったのを覚えています」(ドラマの歴史に詳しいライター・長月猛夫氏)