1970年代テレビドラマ「いまじゃ考えられない」驚きのシーン

日本のおふくろ、本物の刑事がいた
週刊現代 プロフィール

浅田美代子が歌う

元テレビプロデューサーで上智大学文学部教授の碓井広義氏は、'70年代のホームドラマの名作として、東京の下町にある銭湯を舞台にした『時間ですよ』を挙げる。

Photo by GettyImages

「当時、銭湯はある種、共同体として地域の中心となっていた場所でした。だから、銭湯に集まる人間模様を見ていると楽しいんですよ。

このドラマでは女将さんである森光子さんが中心にいて、堺正章さんや樹木希林さん(当時の芸名は悠木千帆)が従業員として銭湯で働いている。

さらに、常連さんも集まり、さながら大きな家族なんです。その人間の温かさがテレビを通じて、こちらに伝わってきました。

当時、私は高校生でしたが、コントのコーナーのギャグで大笑いしましたね。ほかに印象的だったのは女湯のヌードシーン(笑)。それが目当てで見ていた少年たちもいたでしょう。とはいっても、まったくいやらしく描かれていません」

 

『90年代テレビドラマ講義』などの著者である文学者で立教大名誉教授の藤井淑禎氏もこう語る。

「銭湯のヌードシーンは衝撃的でしたが、それを堺正章さんの飄々とした演技や、森光子さんのどっしりとした女将さんぶりで和ませていた。お色気シーンだけを押すのではなく、それを覆うような名演技があったんです。

このドラマでは歌も良かった。堺さんの『街の灯り』、浅田美代子さんの『赤い風船』が挿入歌でした。銭湯の2階から繋がる物干し台で歌うシーンが作品を身近なものにしてくれました」