「定年までに老後資産を作り終える」は間違いだった

「長い老後」は逆算で考える
野尻 哲史 プロフィール

「使いながら運用する時代」を考える

ここで注目して欲しいのは、運用もやめて完全に「使うだけ」になった時代も含めて、60歳から95歳までの引き出し総額は4000万円を超える規模になることです。

これを知ると、退職しても運用を続けることの重要性がよくわかります。そこでこの時期を「使いながら運用する時代」と呼ぶことにしましょう。

最後のステージは、現役時代の運用です。60歳までに2800万円を創り出す資産形成へと遡って考えていきます。こうした95歳から遡って途中経過目標を作っていくことを、私は「逆算の資産準備」と呼んでいます。

ここでも、目線を変えてみましょう。

退職後の生活費4000万円は、60歳時点では2800万円あれば、「使いながら運用する時代」を想定すると達成可能だということがわかります。さらに、現役時代は4000万円の資産作りではなく、60歳までに2800万円の資産を用意すればいいとわかってきます。

退職後の「使いながら運用する」時代を想定することは、現役時代の無理のない資産形成にもいい影響を与えるのです。

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定説を疑え!

資産運用、資産形成、資産活用などなど、お金との向き合い方でいろいろなアドバイスを受けたり、読んだりしたことがあると思いますが、それらをさらっと「そうだ」と思い込んでいたり、受け流していたりしませんか? こうした定説を疑って考えることも大切です。

 

内容をしっかりと理解する必要があるにもかかわらず、意外に大切なことを見落としているものです。ここで、これまでの内容を少し掘り下げて理解していただくために、気になる“定説”を取り上げ、その反論を試みてみました。みなさんはどう思われますか?