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北方領土返還交渉は「米中ガチンコ対決」のいまこそ大チャンスだ

「ロシアは中国側」と思ったら大間違い

ロシアと仲良くしておくべき理由

安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が1月22日、モスクワで会談し、両首脳は平和条約交渉の加速化で一致した。北方領土をめぐる日ロ交渉はどうなるのか。

23日未明(日本時間)に開かれた両首脳による共同記者発表は、日本のロシアに対する経済協力についての説明が大半を占めた。北方領土問題については、両首脳が「双方が受け入れ可能な解決策」を見出す努力を続ける、などと語っただけだ。

プーチン氏は2016年の首脳会談後、液化天然ガス(LNG)関連設備の整備など多くの経済プロジェクトが進んでいる点を強調し「今後数年間で両国の貿易高を現在の1.5倍、少なくとも300億ドルに増やす」と述べた。

 

これに対して、安倍首相も16年以来、両国の経済プロジェクトは170に上る、と明らかにしたうえで「2023年までに両国の訪問者数を40万人に倍増する」と述べた。会談で合意した成果を、2人が分け合って発表した形である。

ロシア国内で島の返還に対する警戒感が盛り上がる中、プーチン氏はなにより日ロ経済協力の成果を強調して、交渉への理解を深めようとする意図があったに違いない。

一方、日本では「経済協力よりも領土交渉を」「順番を逆にしたら、ロシアに経済協力の果実をとられるだけだ」といった声がある。領土交渉の中身が見えず、経済協力ばかりが強調されるので、不満が出るのも理解できなくはない。だが、そういう評価は正しくない。なぜか。

これは相手のある交渉である。自分の獲得目標ばかり言い募っていては、話がまとまるはずがない。それが1点。

それに、そもそも日本はロシアと喧嘩をする訳にはいかない。極端に言えば、仮に北方領土が1つも戻ってこないとしても、日本はロシアと良好な関係を築いていくしか選択肢がないのだ。そのために、いずれにせよ、経済協力を拡大する必要がある。どういうことか。

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