Photo by iStock
# 起業

事業計画、開業資金、オフィスもいらない!「しょぼい起業」のススメ

もう嫌な仕事をするのはやめませんか
就職活動に失敗した、アルバイトが続かない、満員電車に乗りたくない、もう会社員はいやだ……そんな人におすすめしたいのが「しょぼい起業」だ。「しょぼい店舗」の開業・運営を年に10件以上手がけ、初の著書『しょぼい起業で生きていく』も話題の「えらいてんちょう」さんは、資金なし、コネなし、経験なしでも簡単に会社はつくれるという。しかも、不況に強く、つぶれにくい。その秘密はいったい、どこにあるのか? 本人に語ってもらった。

「いつものこと」がお金になる

さぁ、あなたは起業をすることに決めました。まず何をしようと考えますか? 夢をかなえるために綿密な事業計画を作って、銀行で頭を下げて資金を調達しますか?できれば交通の便のいいところにオフィスを借りて、内装工事をして、什器をそろえて、電話を引いて。仕入れ先や取引先に交渉もしなきゃ。あとバイトも雇って。

Photo by iStock

はい、これら全部いりません。ひとつもいりません。

これらは「しょぼくない起業」です。そちらがやりたい方は、そういう方向けの起業本が世の中に山ほどありますので、てきとうに探して読んでください。「しょぼい起業」は、お金をとにかくかけません。借金も原則しません。そのかわり、なかなかつぶれません。どうやって経営していくのか? その話をこれからしていきます。

仮に、農業を一からやるとしましょう。ふつうの(しょぼくない)起業ならば、たとえば需要がありそうで、初期投資と手間はかかるけど高品質なものを、ブランディングして高単価で売って大儲け、的なことを考えるのではないでしょうか。メロンとかイチゴとか、そういった類のものです。

「てきとう自営業」である「しょぼい起業」は、この考え方とほぼ真逆です。高く売れそうなものを売る、という考え方は一切しません。

 

では、どうするのか。たとえばあなたが、埼玉あたりの野菜のとれる実家住まいで、東京の学校まで通っているとしましょう。授業のある日は電車に乗って都内までやって来るのですが、この電車代に関しては、あなたはすでに通学定期を持っている。

このとき、あなたがひとりで埼玉から東京にやって来ればただの移動ですが、空のリュックに家の野菜をいっぱいに詰めて電車に乗り、東京でこの野菜を売ったとしたらどうでしょう。

その瞬間、この行為は単なる移動から「輸送」に変わります。埼玉から東京までの輸送コストがまるまる浮くことになるのです。あとは、東京の学校の近くで野菜を買ってくれる販路さえ探せば、毎日の通学がお金に換わるわけです。

あなたがやることは、いつもと同じ駅から、いつもと同じように電車に乗って、ちょっと重たい荷物を背負い、買ってくれるお店に運ぶだけです。

この「いつもやっている行為をお金に換える」という発想は「しょぼい起業」の基本的な考え方のひとつです。これを「生活の資本化」(コストの資本化)と呼びます。よく覚えておいてください。