特殊コマ300個収集、クレカもコマに加工…たどり着いた宇宙の真理

世界はコマでできている!
大人気のブルーバックス『独楽の科学』著者の特別エッセイ。
あらゆる事物をコマ目線で解釈するに至る、その常軌を逸したコマ愛はどこから生まれ、どこへ向かうのか──?

誰しも一度はコマで遊んだことがあると思います。子供のころお正月にコマを回した、ベーゴマで戦った、最近ではベイブレードで遊んだという人も多いかもしれません。

そんなとき、
「なぜコマは倒れない?」
「最強のコマを作りたい!」
という思いは湧いてきませんでしたか?

このたび私が上梓した講談社ブルーバックス『独楽の科学 回転する物体はなぜ倒れないのか?』は、その答えを探しながら、コマの不思議をわかりやすく説明しようという一冊です。回転するという単純な動作から、予想もできない動きが生まれるのです。

【写真】地球ゴマほぼ真横になっても倒れず回り続ける地球ゴマ

と、コマの解説を始めていますが、実は私はコマ回しの達人でも、コマ作りの職人でもありません。主に量子力学の性質を利用した走査プローブ顕微鏡というもので原子スケールの量子物性物理の研究をしている、一人の物理学者です。コマのことは、大学1年の力学の講義で勉強しましたが、コマを専門に学んだわけではありません。

では、そんな私がなぜコマの本を書いたのでしょうか?

飛び入りで世界大会にコマを進めて…

大人の本気のベイブレード、中小企業が社運をかけて参戦する全日本製造業コマ大戦というものがジワジワと知名度を広げています。

2014年5月、そんなコマ大戦の近畿ブロック予選が開催されました。私はちょっとしたきっかけがあり、そこでゲスト解説の席に座っていました。そして、せっかく来場したのだから、ということで選手としても参戦することになりました。

解説をしながら自らも戦うという妙な絵になりましたが、なんとその大会で空気を読まずに優勝をしてしまったのです。その瞬間、世界コマ大戦への出場が決定しました。

【写真】コマ大戦での優勝空気を読まずに優勝してしまった筆者

それからというもの、私の人生はコマを軸足に回り始めました。

全国大会をはじめとする日本各地のコマ大戦で解説を担当。本業の物理の知識を借りて、コマの強さや勝敗を正しくわかりやすく説明してきました(コマ大戦の戦いの様子は『大人の本気のコマ遊び「コマ大戦」必勝法』で紹介しています)。

私は以前から科学の教育にライフワークとして取り組み、子供向けの科学実験教室を数多く実施してきました。そして、私の手元にはコマ大戦の戦利品として手に入れた数々のコマがありました。コマ大戦では倒した相手のコマを自分のものにできるのです。

【写真】コマ大戦の戦利品優勝して手に入れた戦利品のコマたち

コマを使えば遊びながら科学を学べる。そんな思いにコマ大戦優勝が重なり、「コマ科学実験教室」を開発しました。