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大化け株を10分の1で買えるタイミングはどうしたら見つけられる?

まじめに金融資本のギャンブルを考える
老後破産だけはゴメンだ。かといってもう数年しか働けなかったらどうすればいいのだろう? 長期投資では老後に間に合わないなら、常識的な投資法ではないけれども真剣に考えるべきは、10倍株候補に一点投資する「ギャンブル」なのかもしれない。大ブームになりかかっている会社を見つけるコツを、ベストセラー『仕事消滅』の著者・鈴木貴博氏の新刊『格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方』からご紹介しよう。

10万を一晩で80万にできなければ破滅するとしたら?

老後資金をつくるには長い時間をかける必要があると言われても、すでに60歳になっていたとしたら、いったいどうすればいいのでしょうか。毎月お金を積み立て運用しても、60歳だとスタートが遅すぎて老後資金を育てるのが間に合いません。それでいて人的資本の未来を考えると、もう今以上にはどうしても働けない。

そうなると残る手段はギャンブルしかありません。ここで少しだけまじめにギャンブルのことを考えてみましょう。

「みなさんの手持ち資金が仮に10万円だった場合に、それをギャンブルで80万円に増やす最善の方法は何でしょう?」

仮にあなたが悪の組織につかまってしまい、連れて行かれたカジノのルーレットで赤か黒に賭けるギャンブルをおこなって、10万円を80万円に増やすことができなければ破滅するとしましょう。いくらずつどうやって賭ければ無事解放されることになるのでしょうか。

実はこの問題、中学校の数学でちゃんと答えの出し方が教えられています。確率の問題のところで学ぶ「大数の法則」です。ルーレットをまわして結果が赤か黒かを記録していくと、回数が少ないうちは結果はばらつくのですが、100回、1000回、1万回と数を増やしていくと限りなくその確率は2分の1に近づくというものです。

そこであなたがもし「1000円ずつ100回、ルーレットの赤か黒かに賭けよう」という戦術をとったとしたらどうなるでしょう。

 

そうすると大数の法則が働いてしまい、まず間違いなくあなたの手持ちは10万円近辺のままで終わるはずです。「100円ずつ1000回」にしたら? それも同じです。1000円ずつ賭けたとき以上にあなたの手持ちは10万円に限りなく近いはずです。達成すべき80万円とほど遠いところで手持ちのお金は増えたり減ったりするだけで、決して80万円には近づきません。

ギャンブルで勝つ最善手

そうやって1000回の勝負を終えた頃、明け方になって悪の組織のボスがやってきて「なんだ80万円を稼ぐことができなかったのか? ではお前は用済みだ!」でこの話はお終いです。

数学の確率の理論が教えるこの場合の最善手は、まず10万円全額を賭け、もし当たってそれが20万円になったらもう一度全額賭け、さらに当たって40万円になったときに最後に3回目の全額勝負をするというやり方です。

3回連続して勝てば80万円が手に入りますし、どこかで1回でも負ければ破滅です。でもこのシチュエーションでは手持ちが80万円にならない限りいずれにしても破滅するという前提なので、確率8分の1の勝負ではありますが、それに賭けるのが正解なのです。

大数の法則が意味することは「だらだらとギャンブルをやっていると勝ち逃げすることはできない」ということです。ギャンブルで勝つには、リスクを取ったうえでギャンブルの回数をできるだけ減らして挑戦するのが最善手なのです。

それと同じことで、もし60歳になった段階で老後資金のめどがたっていない場合に、「それでも金融資本に働かせて一発逆転を狙いたい」と考えるのであれば、解決方法は投機しかありません。それも手持ちが少ないのであれば、一点投資です。