金融資本5000万円をつくるのは常識的な投資法では無理な理由

皆が勧める分散投資には罠が…
鈴木 貴博 プロフィール

分散投資では年2%の利回りにしかならない

日本株にも警戒が必要です。日本株のインデックスを形成する日本企業はその収益の大半を日本経済に依存しています。言い換えると海外事業があまりうまくいってはいない。したがって日本経済が成長しなければ日本株の成長はありません。

このような分散投資の一番の罠は「結果として年2%ぐらいの利回りにしかならない」ということです。実際に私の周囲にも分散投資で毎年一定のお金を積み立てている人がいます。結果を聞くと、一番うまく増えているのがアメリカ株で、一番低迷しているのが債券投資。全体で見ると利回りはちょうど2%になっているそうです。

ここが複利のマジックで大差が発生するポイントです。お金がお金を稼ぐスピードが2%なのか7%なのかは長期で見るとケタ違いの差を生むからです。

 

ここで提示している投資術は「アメリカの資本家が世界の富の食物連鎖の頂点にいる」という洞察に基づいた一点集中投資です。そもそも労働者は食物連鎖の捕食される側にいる弱者という前提で、お金の未来はもっと悪くなるという視点から富裕層の立場にまわって人的資本の減少を補おうという考え方です。

つまりこの投資術がうまくいかない場合は、逆に人的資本からの搾取がうまくいっていないことを意味するので、その点ですでにリスク分散はなされているというのが私の理屈です。

円高よりも円安を警戒すべき

グローバル投資なのでもうひとつ為替リスクが存在しますが、基本的に日本経済にとっての長期的リスクは円安です。日本経済が衰退して円が安くなり、そのために輸入するエネルギーや食糧、鉄鉱石などの原価が高騰してインフレ不況が起きることが、老後に一番心配すべき問題です。

米ドル投資はその点、円安には強いので、そちらは心配する必要はありません。

ではもし円高にふれたら? 円高なら日本経済はデフレ経済方向で悪化しますから新下流層にとって生活しやすくはなるでしょう。その代わり5000万円手に入ると思っていた老後資金は、1ドル=70円の円高に陥れば3200万円ぐらいに目減りするかもしれません。それでもこの結果は、他の投資先に比べれば投資として十分成功ではないかと思うのです。

以上のような考え方から、私は常識的なフィナンシャルプランナーが推奨する分散投資ではなく、その中で一番成長する可能性が高いアメリカの株式市場インデックスへの集中投資を勧めているのです。

鈴木貴博『格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方』(講談社+α新書)

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