金融資本5000万円をつくるのは常識的な投資法では無理な理由

皆が勧める分散投資には罠が…
鈴木 貴博 プロフィール

毎月いくら投資すればいい?

アメリカの株式市場の代表的なインデックスに、これまでもご紹介したS&P500があります。これはアメリカの大企業500社の株価を平均して算出されたインデックスです。

アメリカのS&P500と連動するETFは、ネット証券会社の外国株口座を開設すれば誰でも普通に購入できます。SPDR S&P500 ETF(SPY)という銘柄を買うだけです。

では今、35歳の読者の方が年金と同じように定年の60歳まで毎年一定の掛け金を拠出して、それをS&P500で運用した場合、毎年いくらずつ運用していけば65歳になったときに目標の5000万円を確保できるでしょうか。

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1973年から2018年までの長期的なS&P500の利回りは年平均で7.1%です。これは複利のマジックでお話しした水準で言えば、30年間で資産が8倍になるほどの高利回りです。

しかし、ここでご紹介する投資法の前提では毎年少しずつ将来のための資金を運用していく計算なので、全部が全部8倍になるわけではありません。35歳のときに運用をはじめたお金は65歳になるまでに9倍に育ちますが、年金の保険料を払う最後の年である60歳で運用をはじめたお金は65歳の段階では2.2倍にしかなりません。

そのようにして具体的に毎年、35歳から60歳まで一定額を積み立ててS&P500で運用し、その結果が過去と同じような利回りで資産が増えていったとしたらどうなるでしょうか。

35歳からはじめれば月4万3000円でOK

エクセルシートで過去のデータを前提に計算をしてみると、35歳の方ならば月4万3000円、つまり毎年51万6000円ずつ、26年間の合計で1342万円を積み立てていくと、65歳のときに受け取る資産は5000万円を超えます。

苦しいかもしれませんが月4万円ちょっと投資信託につぎ込んで、一切それには手をつけずにおけば、65歳には5000万円を手にできるのです。

 

この投資は早ければ早いほどよく、20歳の人であれば、たとえばバイト代を使わずに毎月1万7000円ずつ投資にまわすことからはじめれば、41年間の合計で836万円を積み立てるだけで65歳には5000万円を手にできます。

逆にこの投資をはじめる年齢が遅ければ、毎年もっと多くのお金を積み立てなければなりません。40歳に同じことをはじめるとしたら、毎月必要な掛け金は6万6000円、45歳からはじめるのであれば毎月11万円を投資にまわしていかなければ、5000万円にはなりません。50歳なら14万7000円、55歳なら毎月25万円を投資にまわさなければいけません。

少し投資理論に詳しい方が私のここまでの説明を聞くと、疑問を抱くでしょう。金融に詳しい方なら必ずこのような反論があるはずです。「リスクはいったいどうするんだい?」と。

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