Photo by iStock

金融資本5000万円をつくるのは常識的な投資法では無理な理由

皆が勧める分散投資には罠が…

「年収180万円時代」に収入を増やすには、資産運用がもはや欠かせない手段となる。一般的には株と債券、不動産に三分割して投資することが勧められるが、しかしその利回りで満足に生活を支えることができるのだろうか。世界の富がどこに集中しているかを正確に読み解けば、分散よりもはるかに早いスピードでお金がお金を稼ぐ方法が見つかると、ベストセラー『仕事消滅』の著者・鈴木貴博氏の新刊『格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方』は強調する。その部分をご紹介しよう。

世界一貪欲な奴らの側につけ

私たち一般の日本人が理解しておくべきことは、21世紀の富の食物連鎖の頂点にいるのはアメリカの資本家だということです。アップル、アマゾン、P&G、フィリップ・モリス、GEといったアメリカのグローバル企業は、世界中の消費者に商品やサービスを提供する一方で、世界中の労働者から同時に搾取をおこなっています。

彼らは英語で言うグリーディー(貪欲)な存在です。アメリカのグローバル企業は、その貪欲さゆえに成長します。半分以上の利益を日本市場から得ているような日本企業とは資本の成長スピードが違います。

世界経済はこれからも拡大と成長を続けるでしょう。その経済成長の取り分は資本家の手に集まるようになります。労働者からの搾取は、機械と人工知能からの搾取でレバレッジされる形で、より多くの取り分が資本家の手に吸い上げられるようになるからです。

その一方で先進国G7、特にアメリカや日本の中流層においては、給与のグローバル化と人工知能による所得の低下が進みます。おそらく新興国でも同じことが起こると思います。

特に、人工知能が多くの頭脳労働を置き換えていくことで、頭を使うないしは経験が必要とされる正社員の仕事がつぎつぎと非正規労働者に置き換わります。そのことで年収300万円台の人たちが年収180万円前後の新下流層に移行するようになるでしょう。
 
世界経済は着実に、人工知能と機械が活躍する、より生産性の高いグローバル経済という方向へと進化していきます。その先にあるのは発展途上国も含めた世界的な給与水準の平均化。そして中流層の給与水準が下がり、新下流層が増大し、ごく一部の富裕層に富が集中するという、富の格差の拡大なのです。

 

では私たち中流層は先行きが厳しくなることがはっきりしている未来予測の下で、どのように生き延びていけばいいのでしょうか。

サバイバルの着眼点はとてもシンプルです。それは「労働者であると同時に投資家になる」ことです。富の食物連鎖のラスボスがアメリカの資本家なのですから、あなたがアメリカのグローバル企業の株主になるのです。

65歳で金融資本5000万円をゴールにすれば?

では中流層にとってどれくらいの規模の資本家になるのがいいのでしょうか。まずはゴールを設定しましょう。「65歳になった時点で5000万円の金融資本を確保する」ことをゴールに設定します。

なぜなら、65歳になった時点で5000万円あれば、そしてそれをそれなりの運用利回り(理想的には6%から10%はほしいところです)で継続的に運用していくことができれば、毎年300万円から500万円規模のお金をお金が稼いでくれるようになるからです。そうなれば年金があてにできない未来でも、中流の年収を維持することが可能です。

これを新資本家階級と呼びましょう。これからお話しするような方法で金融資本にもお金を稼がせていけば、仮に人的資本としては中流層の人が新下流層へと年収ダウンしたとしても、少なくともその新下流層の年収180万円よりはずっと多いお金を、新資本家階級はサバイバル資金として確保できることになるのです。

ではその5000万円の確保の仕方を説明します。