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発覚!経営破綻の大手老人ホーム創業者に「驚きの過去」

まさかこんな…

他社に買収され、不祥事が発覚

「まさかこんな老人ホームがあろうとは」

警視庁の捜査関係者は、唖然としたという。話題となっているのは、「未来倶楽部」などの名称で首都圏を中心に37もの施設を展開している大規模老人ホームグループのことである。

ホームページにしろ、パンフレットにしろ、なかなか立派で、運営も実にしっかりなされているかに見えた。ところが、2018年末、多額の入居一時金を不正に流用していたとして、詐欺の疑いで警視庁に告訴状が提出されたのである。

捜査が開始されると、驚くような事実が次々と明らかになった。

「実は、『地面師』が作った有料老人ホームだったことが判明した」

 

前出の捜査関係者はそう言って、続ける。

「この老人ホームを運営するのは未来設計という企業だが、創業者である女性経営者Aは2000年5月、暴力団組員らとともに公正証書不実記載、同行使の容疑で埼玉県警に逮捕されていた。犯罪の中身はというと、偽造した売買契約書などを使って、無断で他人の土地の所有権を移転登記したというもの。つまり地面師の手口に他ならない。元司法書士や不動産金融業者、稲川会系暴力団組員ら7人の地面師グループの一員だった」

逮捕時のAの肩書は「不動産金融業者」だったという。捜査関係者はさらに続けた。

「呆れるのは、詐欺の傍ら『未来倶楽部』を立ち上げていたことだ。未来設計を同2000年の2月、東京で設立している」

こうした成り立ちであったせいか、「未来倶楽部」では、施設や運営にまつわる問題やトラブルが絶えなかった。やがて内部からの批判の声も上がった。

Aが居住する月額400万円ものマンションの家賃や、高額の飲食費が会社につけ回しされている。脱税している……など数々の内部告発が飛び出し、右翼系新聞で取り沙汰されることもあった。2016年5月には、職員の間でパワハラによる自殺が発生し、問題視されたともいう。

これに加えて、入居一時金などの預託金を着服しているという疑惑もささやかれたものの、事が明るみに出るには、なお時間を要した。

転機は、2018年7月に訪れる。未来設計の持ち株会社が他社に買収されたことがきっかけだった。

買収したのは、同業の創生事業団(福岡市)。同社のその後の調査で、入居者から預かった入居一時金が運転資金などに流用されていたほか、不当に高額な報酬がAに支払われていたことなどが判明した。

それを受け、創生事業団は昨年12月末、Aら前経営陣に約21億円の支払いを求める民事訴訟を東京地裁に提訴するとともに、粉飾決算に基づいた買収契約を結ばされたとして、詐欺の容疑で警視庁に告訴状を提出したのだった。一方、未来設計は今年1月22日、民事再生法の適用を申請。経営破綻に陥った。