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# 介護 # 医療費

献身介護するわが子に「逆ギレする親」が続出しているワケ

当たり前と思う親、息切れする子

「あなたは親と仕事と、どっちが大事なの?」

私は90年代から介護の現場を取材し、そのリアルな現実や有益な情報を執筆や講演、NPO活動を通して紹介しています。

進学や就職、結婚で親元を離れて暮らす人は大勢います。田舎では、老親が1人暮らし、2人暮らし……。元気であればいいのですが、支援や介護が必要になると、子は傍に居られないことに対し、負い目を感じることがあります。

テレビや新聞などの報道で、同居しつつ、献身的に親の介護をする子の姿を見ようものなら、心が痛み、罪悪感はますます膨れ上がります。「傍に居れば、もっと色んなことをしてあげられるのに……」と。そして、自分のことが「親不孝息子・親不孝娘」と思えてくるとともに、見えない誰かから非難されているような錯覚を覚え苦しむことも。実際に、田舎の親戚などから「親と仕事とどちらが大事なのだ」と怒鳴られた、という人も珍しくありません。

宣言通り毎月帰省したのに、まさか親から不満炸裂…

東京都在住のヨシコさん(58歳:仮名)も、故郷で暮らす親に対して放置しているような負い目を感じていました。シングルで、自営業を営み日々多忙を極めています。
東北地方の実家で両親は2人暮らししていましたが、3年程前、母親が足を骨折。介護が必要となりました。

「介護保険のサービスを入れましたが、父も大変そうなので、申し訳なくて。『仕事は辞められないけど、せめて、これからは、毎月帰るよ』って言ったんです」

 

月に1回、3泊4日で帰省することを自らに課したヨシコさん。1人っ子のため、他に手伝える人はいません。「悪いね」と言いつつ、両親はヨシコさんが毎月帰ってくれると分かり、ほっとした様子だったそうです。

実際、ヨシコさんは、2年間、1度も欠かすことなく、毎月実家に戻りました。幸い、母親はじょじょに身の回りのことができるようになり、退院当初は「要介護2」だった介護認定は3段階軽くなり「要支援1」となりました。

一方、3年目となった昨年、ヨシコさんは嬉しい悲鳴で仕事の受注が大幅に増えました。母親も元気になったことから、通いの頻度を下げ、隔月に減らしました。しかし、そのことに対し、両親からまさかの文句が……。