# 金価格

金価格が異例の値上がり。その背景に見える投資家たちの不安とは?

世界経済は落ち着いて見えるのだが!?
真壁 昭夫 プロフィール

政治リスクの高まりと金価格

今後の展開を考えたとき、金の先物価格(金価格)の動向は重要だ。金価格には、世界経済に関する投資家の慎重な考えが反映されてきたと考えられる。昨年8月、金価格は底を打ち、上昇基調で推移している。重要なことは、昨年秋口以降、米国の金利が上昇する中で、金の価格も上昇したことだ。これは、やや異例な動きである。

基本的に米金利が上昇すると金は売られやすい。金利上昇はドル買いにつながり、利息を生まない金の魅力は低下する。そのため、投資家の金保有動機は低下する。昨年8月下旬から10月半ばまで米金利は上昇した。理論的に考えると、金利を生まない金の魅力は低下し、価格は下落してもおかしくはなかった。

 

そうならなかったということは、米国経済の先行き懸念が増えているということだろう。特に重要と考えられるのが、米国の政治リスクだ。金の保有動機を強める投資家にとって最大の懸念材料は、実務能力のないトランプ大統領だろう。トランプ大統領は、グローバル化の推進を重視した従来の米国の政治とは大きく異なる政策を進めている。

米中貿易戦争や中東政策などの不安が高まるにつれ、同氏の限界が明らかになるだろう。その結果、これまでの政治とはかなり異なる主張を持つ人物が支持を集め、大統領候補として注目される可能性もある。そうなると、米国経済の先行きは一段と見通しづらくなるはずだ。従来以上に政治が経済を圧迫するとの懸念は、徐々に増えているように思える。