イラスト:Teamバンミカス

「生活保護は撤廃!」…マルサス『人口論』、実はこんなに冷酷だった

「少子化」対策のヒントは見つかるか

たった40年で、30億人もの人口増加

昨年漫画家の兼久さんと次は何をやるか相談しました。あれ、何か重要な本を忘れているなあと思っていましたら「少子化」という新聞の文字に気が付きました。

そうだ、「人口」は永遠のテーマでしょう、ということになった次第です。

人口といえばマルサス「人口論」です。

世界の人口が40億人を超えたのは1970年代です。その頃大騒ぎになった記憶があります。

食料はどうなるのかということです。第1次オイルショックの後です。石油の次は食料問題がクローズアップされたのです。穀物メジャーという少数の世界的大手企業が、食料を牛耳っているという報道がなされた記憶があります。

えええっ、日本はどうなっちゃうのと皆さん暗くなってしまいました。石油と食料のダブルパンチですから。NHKでも食糧問題の特集番組をやっておりました。

当時私は高校生でしたが、ある時軍隊経験があるおじいちゃん先生が「まあ、多少戦争が起きて人口が減らねえとな」と授業中言い出しましたが誰も笑いませんでした。今だったら不謹慎ですが、当時は結構深刻な雰囲気だったのです。

それが今や70億人です。たった40年で30億人も増えています。今のところ日本では飯が食えます。

あの時は何だったんだろうと思うと同時に、今後はどうなるのだろうと思ってしまうのです。

また不思議なことに先進国では「少子化問題」で悩んでいます。中国みたいに一人っ子政策をやっていないのにもかかわらず先進国では子供が減っている。40年前には考えられなかったのです。

そういう人口問題の原点である「人口論」をもう一度考えてみようと漫画にしてみました

イラスト:Team バンミカス
 

マルサスから得る「少子化」対策のヒント

マルサスの「人口論」をこれから読む方はビックリすると思います。

彼の主張をザックリ言うと、「貧乏人は子供たくさん作る。そうすると人口が増えて食糧不足が生じる。だから救貧法など生活保護制度は撤廃すべきだ」ということです。

弱者救済をやめれば人口が減り食糧問題は解決するというわけです。こんなことを現代で知識人が言ったら大問題なるでしょう。あまりにも冷たい。

しかしハタッと思いました。

そうであるなら貧しい人を徹底的に保護すれば「少子化問題」なんてなくなるのではないですか? 現代では先行きが不安で子供が欲しくてもつくれないという声をよく聞きます。

「人口論」を読むとその反対解釈として、「とりあえず貧乏な人に徹底的に保護政策をすれば子供が増えることになる。マルサスの言うことの反対のことをすれば増えるのでは」と、単純に思ってしまうのです。もし少子化が解決してもまた人口増と食糧問題が出てくるかもしれませんが。

余談ですが、私の両親は昭和一桁です。父親が6人兄弟で、母親は8人兄弟です。両方とも貧乏な家庭なのに何故か子沢山なのです。

昔は避妊具が余りなかったのかなと思っていましたら「突撃一番」というコンドームがありました。特に軍隊には大量にあったのです。

モノの本によりますと戦争中鉄砲の玉よりこの「突撃一番」の生産量のほうが多かったそうです。う~ん、日本軍は何を考えていたのでしょうね。

まあどちらにしても昔から日本には避妊具は大量にあったわけです。それでも貧乏人は子供をたくさんつくったということは、マルサスの言う通りなのかもしれません。