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軽自動車の「届け出済み未使用中古車」が増える理由とトクする買い方

軽自動車の闇…?
渡辺 陽一郎 プロフィール

「届け出済みの未使用中古車」が急増している理由

言い換えれば薄利多売だから、販売台数を高く保つ必要がある。各メーカーとも複数の軽自動車を用意するが、一部の商用車などを除くと、エンジンやプラットフォームは共通だ。量産効果でコストを抑えるため、共通化が進んだ。

さらにいえば、N-BOXやスペーシアのように数多く売らないと、採算が取れない。価格を抑えた薄利多売に対応するには、メーカーの生産工場としては、稼働率を高く維持することが条件になる。N-BOX、スペーシア、タントのような人気の高い軽自動車は、常に一定の台数が工場から出荷される。

ところが需要には変動があり、常に好調に売れるとは限らない。デザインが不評だったり、強力なライバル車が登場して売れ行きが下がることもある。それでもメーカーとの契約もあり、販売会社は車両を仕入れる。

仕入れた車両が堅調に売れれば良いが、販売台数が追い付かないと、当然に在庫車が溜まってしまう。在庫車は管理するにも費用が掛かるため、なるべく早く売りたい。その結果、届け出済み(小型/普通車は登録済み)の未使用中古車が生じる。在庫を持ち切れず、販売店が届け出を行って、中古車市場に放出した車両だ。

 

以前はこれらを俗称で「新古車」と呼んだが、紛らわしい表現だから、自動車公正取引協議会が「自動車公正競争規約」で禁止した。同協議会は、単に「未使用車」という表現も分かりにくいため禁止しており、「届け出済み」「登録済み」という但し書きを付けるよう指導している。

いずれにしろ、一度届け出や登録が行われれば、中古車に変わりはない。走行距離が2~40km前後と短いだけだ。

「届け出済みの未使用中古車」の買い方の注意点

以前の届け出済み未使用中古車は、自動車重量税が不要になるといったメリットがあったが、今は新車にエコカー減税が実施されている。全高が1700mmを超える軽自動車は、JC08モード燃費と車両重量のバランスが良く、燃費基準でも有利だ。エコカー減税は、重量税の場合で50~75%軽減される(2018年度の減税)。これでは届け出済み未使用中古車を買ったところで、節税効果はあまり得られない

肝心の価格は、前述のように軽自動車は薄利多売だから、届け出済み未使用中古車でも極端には安くできない。仮に新車に比べて25万円くらい安い場合、見積書を取ると、「納車整備費用」「納車準備費用」といった法定外費用を高く計上していることがある。これは価格を安く見せかけて、諸費用で儲ける戦略だ。

すべての費用が記載された見積書を取り、「それ以上の金額を請求しないこと」を確認した上で、新車ディーラーの見積書(値引きなどは口頭の場合もある)と比べて判断したい。

その意味で、新車ディーラーに併設された中古車店は、不可解な諸費用の上乗せが比較的少ない。そこで新車と届け出済み未使用中古車の価格を比べると、装備なども含めて完全に同じ仕様で、届け出済み未使用中古車が7~12万円安い程度だ。この金額差だと、値引きの商談を積極的に行うユーザーであれば、支払い総額が新車とほぼ同額になることもあり得る。届け出済み未使用中古車を選ぶ時には、新車で買う時と出費をしっかりと比べたい。