トランプはいま、北朝鮮攻撃の計画を密かに練っているかもしれない

これまでの「パターン」を考えると…

危険なシナリオが動き出す

ここのところ大きな動きを見せていなかった金正恩委員長が、年始早々に動いた。

7日から10日の日程で中国を電撃訪問。36歳の誕生日となる1月8日をわざわざ中国で過ごすなど、彼にとってなにか特別な意図のある訪中だったようだ。

今回で4度目となる訪中では、習近平国家主席と金正恩の会談が行われ、2月下旬に実施される予定の二度目の米朝首脳会談に向けた話し合いが持たれた、と見られている。金正恩はドナルド・トランプ米大統領と再び直接向き合う前に、習国家主席と重要な協議をし、中国との連携もアピールしたかったに違いない。

【PHOTO】gettyimages

もっとも、米朝首脳会談が行われても北朝鮮が非核化される可能性はない。そもそも北朝鮮は、体制維持のための「唯一の保険」である核兵器を手放すつもりはないからだ。

以前、北朝鮮関係者に話を聞いた際にも、北朝鮮は核兵器なしに国として生き残ることはできないと考えている、と述べていた。また核兵器開発を中止したために、リビアのムアマル・カダフィ大佐が政権を追われ殺害された事実を、金正恩が忘れることはない、とも。

2019年に入ってまた動き始めた北朝鮮情勢だが、今年はどんな展開がありそうか。

実は北朝鮮情勢に絡んでは、特に米国側で関係がさらに悪化しかねない条件が揃ってきていると言える。さらに韓国の厄介な動きもあり、米国が北朝鮮を爆撃するーーそんなシナリオがこれまで以上に高まる可能性があるのだ。

 

トランプ政権、機能せず

米国では昨年暮れから、北朝鮮問題を含む外交政策にとって、懸念すべき事態が続いた。

まず昨年12月8日、トランプ大統領は、ジョン・ケリー大統領首席補佐官が年内で退任すると発表。トランプの身内が幅を利かすなど混乱していた政権内部に秩序をもたらす意味で登用されたケリーは、元海兵隊大将らしくスタッフを厳しく取り仕切った。本人は退任時のインタビューで、トランプの首席補佐官を担うのは「骨の折れる難しい仕事」だったが「自分は軍人として、逃げることはしなかった」と述べている。

それでも、2018年4月にタカ派のジョン・ボルトン元米国大使が大統領補佐官(安全保障政策担当)として政権入りすると、ケリーとボルトンが衝突することも多くなった。結局、11月に開催された中間選挙で野党・民主党が躍進して議会がねじれ状態になったことで、ケリーは退任することに決めたと語っている。自分がいなくとも、議会がトランプの暴走を止めてくれると考えた部分もあるのかもしれない。

そんなケリーはトランプの、国際秩序やルールを考慮しない思いつきの「政策」を諭す役割を担っていた。そのような人物がいなくなるというのだから、北朝鮮問題でも情報が統制できなくなるのではないか、と今後のトランプ政権の動きを懸念する向きもある。

ちなみに、トランプの思いつきが政策として実行されないように、米政権高官の中にはトランプのデスクから、大統領の署名が必要な公式な文書をこっそりと盗み出して排除している政権幹部もいた、と報じられている。しかもトランプはそれにまったく気がついていないとも。これこそ、いかにこの政権が機能していないかを如実に示す例だと言える。