経営の根幹を変える「人事部+Excel」という意外な組み合わせ

このスキル、本当に重要です
吉田 拳 プロフィール

人事は経営にどう貢献できる?

しかし人事部門において本当に考えるべき課題は、そうした小手先のスキルや効率化の問題ではなく「人事部門の仕事は、はたして会社の中でどのように経営に貢献できるのか」という視点です。

具体的には人事部はどのようなデータを集めて分析し、経営に提供すればよいのかということです。

蓄積されたデータの分析と活用が重要というのは人事部門に限った話ではなく、営業であれば顧客のデータ、経理であれば会計のデータ、人事であれば社員のデータをどのように分析・活用して会社経営に貢献するかという視点を持つことで、より高い価値を生むことにつながるのです。

経営に貢献するとは、「売上を上げる」か「経費を下げる」のいずれかに大別されます。では人事部が社員に関するデータを活用して売上の向上や経費の削減にどのように貢献することができるでしょうか。

まず経費削減につながる代表的な人事的課題は「残業の削減」と「離職率の低下」です。

一方、人事部門が「売上を上げる」ための取り組みとして最もわかりやすい例としては、営業、集客、マーケティングのスキルを高めるための効果的な社員教育の実施が挙げられます。しかしこの時、その研修の費用対効果を確認するには、社員のスキルの現状を把握して、研修の前後の状態を何らかの形で検証する必要があります。

 

成果をどう評価し、データ化すれば良いのか

実は、ここに多くの企業の人事部門が抱える大きな課題があります。「社員をどのように評価したらいいのか。そしてどのようにデータ化したらよいのか」という問題です。

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働き方改革の議論の中で「労働の時間ではなく成果で評価する」という考え方が提示されていますが、「成果を評価する」というのは極めて難しい問題です。問題なのはその「成果で評価できる制度、能力」が決定的に多くの企業において欠落しているという事実です。

実際、多くの経営者が頭を悩ませている代表的な課題が「評価制度」と「社員の定着」です。

社員がモチベーションを高く維持し、簡単には辞めない組織を作るには、社員の仕事を適正に評価する制度が必要です。そして、それが給料などの待遇にも反映される仕組みがなければ、会社からの評価、待遇に納得できない社員は簡単に辞めてしまうケースが多くなっています。

有能な社員の流出防止は経営、人事における最重要課題の一つであり、優秀な営業担当者や商品開発、マーケティング担当者の流出は会社の売上に直接影響してきます。

そのような人材流出の防止のために、パワハラや長時間労働の防止、働きやすい環境づくりも重要な課題となり、その現状を客観的に把握するには数値データの重要性が増します。

現在では優れたパワハラ対策チェックや社員の適性を見る検査のサービスは多数提供されていますが、そのような検査から得られたデータをExcelできちんと管理して活用できているかが問われることになるのです。

以上のような観点を踏まえて、では人事部で作成するExcel資料にはどのような項目を作るべきか、その理由とともにいくつか考えてみましょう。