手を出してはいけない「がん未承認治療」の見分け方、教えます

高額な治療ほど危険だとご存じですか?
大須賀 覚 プロフィール

このすべての開発プロセスを終えるには、最近では平均7年近くの月日と、平均800億円近い経費が必要となっています(JAMA Intern Med. 2017;177(11):1569.) 。

正確に「がんに効く」という結論を得るには、とてつもない時間とお金がかかるのです。

臨床試験新薬が生まれるまでの試行錯誤はすさまじい Photo by Getty Images

そのため、この開発プロセスを実行できるのは、ほとんどは大手の製薬会社に限られます。

開発の最初にあたる第1~2段階は、大学の研究者や、ベンチャー企業で行うこともありますが、有望と分かった段階で大手の製薬会社と協力が始まり、もしくは権利を売るなどして、この開発プロセスは進められていきます。

最近では医師が主導するスタイルもありますが、世界のなかではきわめて稀です。

開発プロセスは「ふるい」になっている

この開発プロセスは時間もお金もかかるので、常にチェックの繰り返しです。

先に示したような4段階に分かれていて、それぞれにチェックがあり、ふるいにかけられます。少しでも期待が薄いと判断されると、すぐに開発は中止されます。

大変な投資をしても、最終的に効果が確認されず、承認されないことになると、損失しか生まれません。

そのため、途中ですでに開発がストップしている治療というのは、もう可能性がないと判断された薬剤ということになります。

薬新薬誕生までの「ふるい」の目は細かい Photo by Trey Gibson on Unsplash

大事なのは「どの開発段階にあるのか」

「未承認治療」と言われるものは、上で紹介した開発プロセスのどこかに入っているお薬か、すでにこの開発プロセスにおいて効果がないと判断されて開発が終了した治療です。

たとえば、「がん細胞に投与して殺傷効果があると確認された」というお薬は、第1段階にあるということになります。「10人程度のがん患者に投与してみたところ、効果が見られそうだった」というのは、第3段階(Phase2)程度ということになります。

この開発段階は「ふるい」ですので、段階が進めば進むほど期待が持てるということになります。つまり未来の治療になる確率が上がるということになります。

では、次にその確率について解説します。

効果が期待できるのはごく一部

ここが今回で一番大事なところです。さきほど解説した各段階に入っている薬剤のうち、どのぐらいの割合が、最終的に新薬として承認されるのでしょうか?