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大方の予想に反して、世界の株式市場が値を上げているのはなぜ?

反発局面終了後に分かれ道が待っている

リバウンドの原因

昨年末の大方の予想に反して世界的に株式市場は順調に値を上げている(図表1)。

イベントでみれば、1月4日に開催されたAEA(全米経済学界)の年次総会における、歴代FRB議長(バーナンキ、イエレン、パウエル)によるパネルディスカッションで、パウエルFRB議長が利上げの停止を含む慎重な金融政策運営を示唆するような発言を行ったことがきっかけとなったようだ。

その後もFRBの多くの高官、特に今年のFOMCで投票権を持つ(つまり、政策決定に直接的に影響力を持つ)地区連銀総裁やクラリダFRB副議長が資産圧縮計画の見直しを含む金融政策スタンス転換を匂わせる発言をしたことも大きい。

ただし、パウエル議長自身は、利上げ路線自体の堅持を主張したり、最近公開された2013年の理事時代のFOMCの議事録で、2013年当時から資産圧縮の必要性を強く主張するなど、「信条」としてタカ派的なスタンス(というより、FRBにとって「楽な金融政策」に一刻も早く戻りたいという官僚的なスタンスと言ったほうがよいと思われるが)を長期にわたって取り続けていることが判明したため、今後のFRBの金融政策にはまだ不透明感が残っていると考える。

マーケットは近視眼的で、1-3月期に利上げがなさそうだというだけでポジティブに反応しているようだが、重要なのは、「利上げの先送り」ではなく、「(資産圧縮の停止を含めた)金融引締めの回避」ではなかろうか。

その意味で、「FRBの政策転換による株高」をメインシナリオにするのは時期尚早であると考える。

 

ところで、今年になってからの株価の反発は、このようなFRBの政策転換期待がきっかけにはなったものの、単に昨年末の下げ過ぎの反動という側面が強いように思われる。

例えば、株価と失業率の関係(この考え方については、昨年の当コラムで既に言及した)から「マクロ経済の状態と整合的な株価水準」を算出すると(図表2、図表3)、ニューヨークダウ工業株30種平均では2万2500ドル近傍であったが、昨年12月21日にその水準を割り込んだ。

また、同様のモデルから試算される日経平均株価の均衡値は2万2250円程度であったが、現在の失業率との関係から「さすがに下げ過ぎ」と考えられる水準は1万9500円であった。日経平均株価は昨年12月26日にこの水準を割り込んだ。

すなわち、昨年末の段階で、日米の株価とも、マクロ経済状況から考えると「割安」といえるところまで下げており、反発はなんらかの「きっかけ(Catalyst)」待ちという状態で、それが、1月4日のパネルディスカッションであったと考えられる。

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