「仮想通貨よ、さらば」…ある億り人・インフルエンサーの全告白

ビットコインバブルとはなんだったのか
高城 泰 プロフィール

つむじ風の真ん中で

「資産を作るにはもっと勉強しないといけないと痛感し、6月からは投資本を読み漁っていました。1日2、3冊、半年で300冊から400冊ほどです。株式投資やインデックス投資、デイトレの本も読みましたし、孫子の兵法も。投資に関連する有名どころの本はだいたい読みました」

自営業を営むマナ氏だが、6月以降は本業も放置状態。読書に明け暮れる日々を過ごした。

「読書と、あとはAmazonのプライム・ビデオをひたすら見ていました(笑)。ゆっくり休んだおかげで体調も回復しましたし、仮想通貨から離れたことで奥さんもホッとしたようです。『あの時のあなたはおかしかった』と言われますね」

つむじ風の真ん中にいる者ほど、風の方向がわからないものだ――充電期間中にマナ氏が読んだ本の一節にあったという言葉だ。この言葉を嵐の真ん中にいたマナ氏は実感している。仮想通貨バブルが崩壊した今、次の一手はどう考えているのだろうか。

「仮想通貨ブログは続けますし、歴史は繰り返しますから、いずれ仮想通貨か別の市場でバブルが来るかも知れない。次のバブルではうまく資産を残せるよう、経験を積むためにも何かマネーゲームは続けると思います」

 

バブルがマナ氏に残したものは

「ただし」とマナ氏は続ける。

「いちばん望んでいるのは、みんなが喜んでくれてお金が巡ること。投資の利益は誰かの悲鳴や犠牲が混じっていることがあります。非情な世界というか、生易しい世界ではない。どっぷり浸かるにはつらい。あまり儲けようとしてやると不幸になるのかな、とも思いますし」

バブルを乗りこなすには優しすぎた、といえるのかもしれない。バブルに生気を吸い取られるようにして、半年間を引きこもるようにして過ごしたマナ氏。仮想通貨の祭りも終わり、別れを告げ、本業へと復帰する――わけでもないようだ。

「仮想通貨の大半を手放した6月から半年間、本を読んで勉強する中で、これからの方向性が見えてきました。1日2時間くらいでも本業の仕事をしようか……。いや、もう少し休んで、やりたくなったらやるかなと思います(笑)」

仮想通貨バブルはマナ氏に何を残したのだろうか。

「世界には賢い人がたくさんいますよね。ブロックチェーンを発明したナカモトサトシは賢いし、それを使いこなそうとする賢い人もいれば、ICOなどで詐欺的な商売を目論む賢い人もいた。あのバブルに世界中からいろんな意味で賢い人が集まっていたなと思います。でも結局、みんなお金が好きなんですよね」

もし2017年をもう一度体験することができるならば――。

「いや、もう二度と味わいたくないです(笑)」