「仮想通貨よ、さらば」…ある億り人・インフルエンサーの全告白

ビットコインバブルとはなんだったのか
高城 泰 プロフィール

バブル崩壊で残った資産は

ビットコインが230万円の史上最高値をつけた2017年末をピークに、バブルは崩壊していく。

〔photo〕gettyimages

翌年1月にはコインチェックからのNEM流出事件があり、2月にはビットコイン価格が60万円台ヘ急落。そのまま底ばいが続いた6月にマナ氏はブログを更新し、仮想通貨の大半を売却したことを報告する。

「コインチェック事件があり、ビットフライヤーは行政処分を受けて新規口座開設の受付を停止してと、日本の仮想通貨市場を取り巻く状況が悪すぎました。この時点で保有していた大半を手放しました」

この時点でのビットコイン価格は70万円弱。マナ氏が参入した時点のビットコイン価格は10万円台前半だったから、充分に利益の乗った水準ではある。しかし、高値からは70%以上の下落とあれば、決して満足の行く出口ではない。より早く売り抜けた人もいた。

「僕は技術面に詳しいわけではないし、投資の知識もなかった。『ブロックチェーンは新しい技術だ!』と盲信して鼻息を荒くしていましたが、『古参』と呼ばれる人は技術面の優位性を語りながらもうまく売り抜けていたんだろうと思います」

 

仮想通貨コミュニティには、2017年のバブルより以前に参入した人たちが古参と呼ばれた。古参の特徴に値動きよりも技術面への着目があった。古参風に言えば「ブロックチェーンはインターネットに匹敵する発明だ、200万円なんて通過点に過ぎないし、そもそも価格に本質はない」ということになる。

「でも、結局はほとんどの人がお金でした。ブロックチェーンが未来を変えると技術面の魅力を声高に語っていた古参も、ビットコインが安い時期に買ってたっぷり儲かっていたからきれいごとを言えたのであって、結局はみんなキャッシュ目当てだったのだろう、と。それが自分には見えていなかった」

仮想通貨の乱高下とともに大きく変動したマナ氏の資産。ストレスと引き換えたに得た「我慢代」はどのくらいだったのだろうか。

「当面の生活に不安はないですが、一生暮らしていけるかといえば、難しい。もう少し稼がないといけないですね」

億り人とはなったものの、億の大台を大きく超えるほどではない、といったところのようだ。大きな買い物もしていない。壊れたエアコンを買い直したくらいで、新車の購入も「今のクルマがまだ乗れるから」と手控えた。